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THE PROFESSIONALS 税理士の仕事

〈 その道のプロからお話しを聴く 〉

02グローバル企業向けコンサルティング

KPMG税理士法人   西巻 昇吾(にしまきしょうご)

大学院法学研究科修了後、2014年KPMG税理士法人入所、税理士試験合格。M&A/Global Solutions部門にて主に日系大手企業のM&A、組織再編などのコンサルティングを担当。2017年よりシニアとして活躍の場面が増々広がる。

CSアカウンティング株式会社 専務取締役事業本部長 税理士 中尾 篤史(なかおあつし)氏

グローバル企業とは

企業が持続的な発展を続けていくためには、成長している市場へと進出し、市場の成長を自社の成長として取り込まなければなりません。いくつかの日本企業は古くからから海外進出をしていますが、多くの日本企業が海外進出を始めたのはここ数十年です。当初は大企業、今では規模がより小さな企業までが海外に進出しています。多くの企業がより大きなマーケットを求めて海外へ進出することは今や当然の企業戦略だと言えます。事実、2015年の日本企業の海外での売上比率は58.3%(ジェトロ調べ)にも上ります。近頃は、アジアやアフリカなど発展が著しい国々などが魅力あるマーケットだと考えられています。では「グローバル企業」とは何を指すのでしょう?様々な解釈がありますが、ここでは日本以外に数カ国以上で支店や子会社を展開している企業としましょう。

グローバル企業の戦略

一昔前までの日本企業の海外への進出は、自前の支店や子会社を設立して地道にビジネスの拡大を目指す戦略がほとんどでした。例えばメーカーは製品の輸出、販路の開拓から始まり、最終的には現地生産工場の建設という順序で進出しました。こうした手法は堅実である反面、とても時間がかかります。現在では、現地の企業へ出資し、人員、製品、ノウハウなどを手に入れるM&Aの手法や現地企業とのジョイント・ベンチャー設立を通じての製品技術や現地販路の獲得などが盛んにおこなわれています。まさに人員やノウハウと一緒に時間も買うという考え方です。この方法は、初期投資費用も巨額になりますが、既に現地で活動している企業を自社グループに迎え入れる訳ですからメリットも大きいというわけです。現代のビジネスはスピード勝負です。そのトレンドにあった戦略だということができます。新聞などにも日本企業の海外企業買収は毎日のように取り上げられていますので、皆さんもご覧になったことがあると思います。

私たちの仕事

グローバル企業を前述のような定義づけをするとその数はとても多く、数万社に上ると思われます。その中でも私たちKPMG税理士法人のお客様は規模の大きな企業がほとんどです。ではどのような仕事があるのでしょう。一部を除いて大企業は自社で税務申告書を作成することができます。また、大企業には社内に税理士がいることも珍しくありません。ところが組織再編、M&A、新規取引を始めるにあたっての税務リスクの調査などは簡単には対処できる内容ではないのです。国際税務は国内税務に比べてより複雑です。事実、グローバル企業からの相談事項の多くが海外に拠点を置く法人との取引に関するものです。ここでKPMGのネットワークが活きるのです。私たちは日本の税法の専門家として、世界各国にあるKPMGのメンバーファームと連携して仕事にあたります。世界中のプロフェッショナルと協働することで難度の高い国際税務の問題を解決していきます。

例えばどんな仕事?

日本のA社がマレーシアのB社を買収することを例にあげて考えてみましょう。A社にはシンガポールに子会社Cがあります。

Step-1 検討する

A社からいくつかの案が提示されることで始まります。この段階でA社は、ビジネス的に成り立つのか、法律的には問題がないのかが検討を済ませて、A社が直接買収するプランを提示しています。私たちはこの案を尊重しつつも、税務上のリスクやメリットを考えてアドバイスし、場合によっては代替案を提示します。

Step-2 企業の価値評価をする

マレーシアのKPMGのメンバーファームに連絡をします。最初に行わなければならないことはB社の資産価値の評価です。企業の資産価値の評価のことをDue Diligence(デュー・ディリジェンス:デューデリと略すことも多い)と言います。資産だけでなく、負債などのリスクを精査します。クライアントにとって、税務リスクは、直接的に現金の流出をもたらすリスクであるため、重要な調査項目の一つです。

Step-3 出資の比率や方法を決める

B社に様々なリスクがなく、買収に値する企業だとわかったら、次に何パーセントの持分にするか、さらには同じA社グループによる買収でもA社が直接買収するのと子会社Cが買収するのでは税務的にどちらが有利なのかなどの検討を重ねます。場合によってはマレーシアだけでなくシンガポールのメンバーファームにも協力を仰ぎます。この段階で私たちはメールや電話を通じて英語でコミュニケーションをします。英語力も大切ですが、ほとんどの職員は最初から英語ができるわけではありません。英語に拒否反応がなければ問題はないと思います。加えて、日本の税務の基礎知識があれば、他国の税務であっても多くの部分が推測できるのです。

Step-4 報告と契約内容を精査する

一連のやりとりの後、A社あてに報告をします。調査を依頼したメンバーファームからは詳細な情報が届くのですが、多くの場合、私たちはその重要な部分を和訳して原文に添付します。次の段階は、契約の文言のチェックです。こうした契約をSPA(Stock Purchase Agreement)と言います。私たちの役割は税務上のリスクがないかを精査することです。

グローバル企業向けコンサルティングは今後更なる成長が見込まれる、コンサルティングとしては比較的新しい発展途上の分野とも言えます。発展途上だからこそ皆さんの成長がこの分野の成長へ、ひいては日本企業の成長へと繋がっていきます。皆さんも日本企業の成長を支えるKPMGの一員になりませんか。


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