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THE PROFESSIONALS 税理士の仕事

〈 その道のプロからお話しを聴く 〉

08SPC(不動産証券化)

株式会社青山綜合会計事務所  税理士 グループマネージャー 吉岡 淳(よしおかじゅん)

新卒で証券会社に入社し、営業を経験。2年半の会計事務所経験を経て、2010年6月に株式会社青山綜合会計事務所に入社。SPC案件を扱う現場では、チームを取りまとめるグループマネージャーを務める。税務、会計、不動産、金融と多岐にわたる高度な専門知識を活かし、これまで約140件のSPC案件に携わる、証券化のプロフェッショナル。

株式会社青山綜合会計事務所 税理士 グループマネージャー 吉岡 淳(よしおかじゅん)氏

税理士の仕事は大きく拡大しています。SPC(不動産の証券化)もそのひとつです。この仕事を通じて、会社の設立から清算までを比較的短期で経験できます。その上、金融、不動産、契約そして税務・会計の知識を習得できるのです。極めて専門性が高く、税理士の最もダイナミックな仕事のひとつです。

まずSPCの説明から始めましょう。SPCとはSpecial Purpose Companyの略で、特別目的会社のことです。SPCには様々な形がありますが、ここでの「特別な目的」とは「資産に投資すること」です。資産の多くはオフィスビルやマンション、ホテル、ショッピングセンター、太陽光発電施設といった不動産や動産が占めています。キーワードは「ひとつのプロジェクトのため」そして「従業員がいない」会社であることです。

ひとつのプロジェクトのための会社

株式の売買を通じて会社に投資している方は決して珍しくないと思います。では会社の特定のプロジェクトに投資しようとしたらどのような方法があるのでしょう?実は、簡単ではないのです。

会社はさまざまな経済活動を通して利益を追求しています。事業部制をとって部門毎の損益を注視している会社も珍しくありません。しかし、個々のプロジェクトの損益を見ることはとても難しい作業です。管理部門の費用や人件費などをどこがいくら負担するかの明確な基準がないからです。ではどうすれば、プロジェクト毎の損益を見ることができるのでしょうか。その答えのひとつが「SPC」です。

この方法を全てのビジネスに当てはめることはできません。しかし、不動産などへの投資については、SPCとして管理することでプロジェクト個々の収支をはっきりさせることができるのです。

わかりやすい例をひとつあげてみましょう。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの近くにホテルを建設するプロジェクトがありました。大きなニーズが期待できます。投資家や金融機関が中心となって資金を募り、それをSPCにまとめました。そしてSPCはその建設に投資し、完成後のホテルを所有したのです。損益を明確にするため、全ての管理業務は外注しました。青山綜合は計画段階から参画し、決算業務も受託しています。「従業員がいない」のは「全ての管理業務を外注」するからです。SPCとは、プロジェクトの進行を容易にし、ビジネスを進めやすくするための言ってみれば「箱」のようなものなのです。

従業員のいない会社

従業員がいないと意思決定ができません。意思決定なく会社を運営していくために、想定できる全てをSPC設立前に計画し、決定しておくことが必要です。全てを計画通り運営することが理想なのです。そのためには計画が正確でなければなりません。計画作りでは、不動産鑑定士や金融機関のアナリスト、そして私たち税理士が考えられる全ての状況をシミュレートして確度をあげていきます。買い手の出資比率や借入を含めた資金計画、経済状況、為替変動などあらゆる事象からの検討を重ねます。不動産投資の最大のリスクは不動産価格の暴落です。各プロフェッショナルの情報量と正確さが計画作成の鍵を握ります。そのため、日頃から各方面へアンテナを伸ばして情報収集にあたるのは当然のことです。青山綜合が抱える1,200社に上るSPCのデータなども大きな判断材料です。個々の内容は公表できませんが、全体の傾向などは情報源として極めて有益なのです。

具体的な手順

まず投資の仕組みを考えることから始めます。投資家の出資比率、金融機関からの借り入れ、金利の動向、収入の見込みなどを元に計画をたてます。不動産の投資では「転売する」か「貸す」ことで利益をあげます。経済状況などを見ながら、最も効果的な運用方法を考えるのです。東京オリンピックも大きな価格変動のファクターです。私たちの役割は、税務的に最も効果的な方法の検討や投資する不動産の税務リスクの精査です。投資物件に想定外の税金があると避けようのない大きなリスクとなります。

計画が決まった段階で専門の弁護士が契約書を作成します。私たちは、関係する部分を慎重に読みこみます。場合によっては、文言の差し替えや追加なども依頼します。一般的に1つのプロジェクト当たりの契約書は10通以上です。しかし、全てに目を通すことは必要ではなく、関連性のある部分のみをチェックします。SPCの設立後は、会計や資金管理、決算と税務申告などを担当します。

この仕事の醍醐味

日本の長期金利は約1%程度で、欧米と比較すると極めて低い水準です。さらに円安が続いており、日本の不動産には割安感があります。地震などの自然災害のリスクもありますが、政情も経済も安定しているため、世界中から資金が日本に流れ込んでいます。外国資本による日本の不動産への投資は継続すると確信しています。事実、日々、新たなSPCを設立しており、青山綜合で管理している約1,200社に毎年新たに100社が加わっているのです。SPCの設立から清算までの期間は5年から30年。投資物件を売却するとSPCはその使命を終えます。私たちは日々「SPCの設立から清算まで」に携わっていますが、このような経験ができる税理士はとても少ないと思います。

金額も大きく、期限が定められた仕事も多いためプレッシャーもありますが、税理士として高度な専門性を養うことができます。そして、今後ますますの発展が期待できるのです。加えて、高度なノウハウが必要なため、この仕事を請け負うことができる税理士法人はごく少数です。高度なプロフェッショナルとして活躍したいと思っている「あなた」にとって最高の職場だと確信します。

近い将来、一緒に働ける日を楽しみにしております。


株式会社青山綜合会計事務所
青山綜合税理士法人

設立
1999年8月25日
所在地
〒105-0001
東京都港区虎ノ門四丁目3番13号
ヒューリック神谷町ビル6階
Tel:03-5404-5500
Fax:03-3433-6105
代表者
松澤 和浩(公認会計士・税理士)
従業員数
174名(2018年1月現在)
事業内容
ファンドアドミニストレーション
SPC設立、会計税務、資金管理、コベナンツ管理などファンドに必要な機能をワンストップで提供
海外進出・日本進出支援
国際税務に関するアドバイスを中心に、日本企業の中国、香港、シンガポール、インドネシア、マレーシア、ミクロネシアへの事業進出及び外国企業の日本進出を総合的にサポート
財務・税務支援
M&A・事業再編時のデューデリジェンス、事業承継、相続税、ヘルスケアビジネスコンサルティングなど財務・税務を中心としたサービスを幅広く提供

青山綜合事務所は、設立当初から、極めて専門性の高い領域で、質の高い会計・税務業務を行ってきました。お客様は金融機関や不動産関連会社が多いのも特徴です。投資や金融ビジネスのプロフェッショナルと私たちが協業し、チームワークを発揮しながらこれまでなかった事業のしくみや海外ビジネスを創出しています。

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