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会計士 東京

1. 東京都の公認会計士受験生
令和2年度公認会計士試験 関東財務局の願書提出者は8,120 名で論文式受験者は2,272名でした。関東財務局の合格者は782名で合格率は34.4%(全国平均▲1.5%)となっています。

論文式試験合格者の90%以上は監査法人に就職します。参考までに2020年度の監査法人の採用実績(推定)は以下のとおりです(TACキャリアサポートセンター調べ)。

・有限責任監査法人トーマツ 248名
・EY新日本監査法人 202名
・有限責任あずさ監査法人 170名
・PwCあらた有限責任監査法人 50名
・太陽有限責任監査法人 40名
・三優監査法人 15名
・アヴァンティア監査法人 11名
・東陽有限責任監査法人 10名
・PwC京都監査法人 6名
・仰星監査法人 5名
・アスカ監査法人 2名
・RSM清和監査法人 2名


2. 東京都の公認会計士(会員数・準会員・青年部)
2021年4月30日現在、東京都の公認会計士の人数(日本公認会計士協会会員数ベース)は19,081名で全国の58.8%を占めています。同様に準会員会は3,827名で全国の62.3%です。

また、神奈川県・埼玉県・千葉県の地域会員を合わせた「関東圏」の公認会計士の人数は22,237名で全体の68.0%です。日本の公認会計士の3人に2人は関東圏で仕事をしていることが伺えます。

法人外部の人脈づくりの1つとして、日本公認会計士協会の「準会員会」「東京会青年部特別委員会」への参加もお勧めします。

・日本公認会計士協会準会員会
 https://www.jija.jicpa.or.jp/about

・日本公認会計士協会 東京会 青年部特別委員会
 https://jicpa-tokyo-cpa-youth.jp/

3. 東京都の会計士求人
会計士求人の多くは東京エリアに集中しており、大きく「監査法人」「上場企業」「ベンチャー企業」「金融機関」「税理士法人」「コンサルティング会社」の6つに区分することができます。

(1) 上場企業経理部門
会計士の転職先としてもっともポピュラーなのが上場企業の経理部門です。連結会計やM&Aに関わる仕事から監査対応まで、元監査法人の会計士に期待される業務は少なくありません。上場企業へ転職する会計士は、基本的に定年まで勤める前提で転職する方が多いです。転職時の年収は下がることがほとんどですが、将来CFOなどへ昇進した場合には監査法人を超える年収の実現も可能でしょう。企業等で働く「組織内会計士(インハウス会計士)」は年々増加傾向にあり、2017年12月末:1,618人 2018年12月末:1,745人 2019年12月末:1,938人(いずれも組織内会計士である会員・準会員)となっています。

(2) ベンチャー企業管理部門(CFO候補)
IT関連企業を中心に、ベンチャー企業へ飛び込むアグレッシブな若手会計士も増えてきました。会計士に求められるのは、管理部門全般の内部統制構築から会計システムの導入まで多岐にわたります。また、上場準備会社の案件が非常に多く「創ること」が好きな人にとっては適職となることでしょう。共同経営者としてストックオプションが付与されるケースもあります。ベンチャー企業の仕事は、経理・財務に限らず、人事・総務といった管理部門全体を任されることも珍しくありません。従って、成長意欲や積極性が求められることになります。監査法人からベンチャー企業への転職においては、年収は下がると思ってください。年収よりも経験を重視する会計士向けの選択肢です。

(3) 金融機関
メガバンク、大手証券会社、投資銀行などの金融機関へ転職する会計士は少数派ですが、毎年いらっしゃいます。グローバルな金融機関では複雑な会計処理を要求されますので、専門性の高い公認会計士の採用ニーズがあります。信託銀行や証券会社では、相続・事業承継支援コンサルティングの案件が目立ちます。また、投資銀行はM&Aのスペシャリスト採用枠で会計士を採用しています。企業と比較すると転職ハードルは高くなりますので、しっかりとした準備が必要です。年収については下がることのほうが多いですが、投資銀行への転職は収入アップが見込めます(投資銀行ではビジネスレベルの英語力が求められます。)。

(4) 税理士法人
税理士法人へ転職する会計士については、国際税務のプロフェッショナルを志してBIG4税理士法人へ転職する事例と、将来の独立を視野にいれて国内系大手・中堅税理士法人へ転職する事例に二分できます。税理士法人の国際税務、組織再編、移転価格部門で活躍する会計士は、年々増加しています。クライアントの税引後の利益拡大を命題とする税務コンサルティングは、非常にクリエイティブな仕事といえるでしょう。BIG4税理士法人の年収は大手監査法人と同等ですので、収入面での心配は不要です。国際税務の専門家は非常に不足しており、会計士が新たなステージとして活躍できるチャンスは大きいといえます。参考までにクライアントが税務コンサルティングに対して支払うフィーは、法定監査よりも高い水準にあります。

(5) コンサルティング会社
会計士の転職先として多いのはBIG4系(会計系)コンサルティング会社、M&Aコンサルティングがほとんどです。また、少数精鋭の若手会計士がBCGやマッキンゼーといった戦略系のコンサルティングファームへ入社しています。アドバイザリー業務については、BIG4グループ内でアドバイザリー部門へ転籍する方が過半数ですが、あえて監査法人から飛び出したいという士も少なくありません。監査と比較して労働時間は圧倒的に長くなりますが、年収はアップする可能性が高いでしょう。国際的なディールを扱うことも多いため、英語力をある程度身に着けておいたほうが無難でしょう。

4.会計士の転職で気を付けること
(1)監査法人の外では資格は関係ない
会計士ばかりの環境から外へ飛び出してみると資格ではなく実力でしか評価されません。どのような転職をしようとも、新人からスタートする気持ちを忘れずに持ち合わせましょう。

(2)目的のない転職は失敗する
転職を焦ってしまうと失敗してしまいます。
会計士としての「強み」をどこにもっていきたいのか?
5年後、10年後の会計士としてのゴールをイメージできると良いです。
そういう意味では、5歳上、10歳上のロールモデルとなる会計士を探すのも良いでしょう。
 
(3)中立的な立場のコンサルタントに相談する
TACは30年以上にわたり公認会計士を応援してきました。私たちは、むやみに転職へ誘導することはしませんし、監査法人に留まる選択肢も提案します。将来のキャリアに迷ったら、お気軽にご相談ください。