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「会計士の転職」「税理士の転職」を
考えるコラム仕事の探し方と働き方
考えるコラム仕事の探し方と働き方
会計士の転職先・転職市場動向
日本の公認会計士は試験合格者を含めて約4万人です。その約40%がBIG4、約5%が中小監査法人で働いています。また、2018年12月時点の組織内会計士は1,745名と約5%です。半数の会計士は、それ以外の働き方をしているということです。会計士のキャリアは十人十色。本コラムでは、個性的な会計士の「生き方」に触れていきます。
【監査法人】就活&面接対策 まとめ(2021年版)
■■ 監査法人の就活スケジュールを知る
会計士受験生の中には「はじめての就活」に不安を感じる人も多いと思いますが、論文式試験が終わるまでは特段準備をする必要はありません。
ですが、論文式試験が終わると「ほぼ同時」に就職活動がスタートしますので、下記のスケジュール感だけは頭の片隅に留めておいてください。
【情報収集①】TAC(予備校)主催の就職説明会(8月)
↓
【情報収集②】監査法人・税理士法人主催のセミナーなど(合格発表前)
↓
【応募&面接】本エントリー&採用面接(合格発表直後)
↓
【内定の取得】採用面接後(当日~1週間以内)
↓
【入社・入所】2月~4月(大学生は卒業後の4月)
論文式試験の翌週に開催される「合同就職説明会(毎年8月)」は、原則としてビジネススーツ着用ですので、スーツ一式をお持ちでない方は論文式試験前に購入しておくと良いでしょう。
特に、志望監査法人(または税理士法人・コンサルティングファーム)が定まっていない人については、就職説明会に参加することをお勧めします。
TAC主催の就職説明会は業界最大規模。大手(四大)監査法人のみならず急成長中の中小監査法人、会計士を積極採用するBIG4系税理士法人、年度によりますがコンサルティングファームやメガバンクなども出展します。
効率的にキャリアの選択肢を「知る」チャンスとなるでしょう。また、後述する「志望動機」を具体的につくるためには、「情報収集」が必須となります。
「論文式に合格しているとは思わなかったので、全く就活していなかった」
という受験生が必ず毎年訪れます。
仮に不合格となっても近い将来は監査法人等に就職することになります。最低限の情報収集だけはしておきましょう。
■■ 就職活動前に準備しておきたいこと(身だしなみ)
監査は「お客様」と接する機会が非常に多い仕事です。ですから、社会人としてのマナーや清潔感が求められます。服装をはじめとした「身だしなみ」の準備を進めておきましょう。ポイントは以下のとおりです。
① スーツ
・「黒」「濃紺」「グレー」を推奨
・サイズのあったものを着用(背丈の異なる父兄からのレンタルは絶対にNG)
・しわのないものを着用(お出かけ前に汚れがないか必ずチェック)
・新品のスーツは仕付け糸をとる(監査法人の面接会場では、毎年仕付け糸をつけたままの人を発見します)
② ワイシャツ(男性)
・クリーニングに出すかきちんとアイロンをかけたワイシャツを着用
・面接においては「白」が基本(会計業界は「白」が無難)
・ボタンダウンでもOK(クールビズ期間にネクタイを締めない場合はボタンダウンシャツが基本なので、あると便利)
・監査法人で働き始めるまでに少なくとも「5枚」は持っておいたほうが無難
③ ネクタイ(男性)
・デザインは光沢のない無地かストライプを推奨
・結ぶのが苦手な人はYou Tube などの動画を参照
・ゆとりのある人は監査法人のコーポレートカラーに合わせるのも一興
(参考)大手監査法人のコーポレートカラー
・あずさ有限責任監査法人(青)
・EY新日本有限責任監査法人(黄色)
・有限責任監査法人トーマツ(黄緑)
・PwCあらた有限責任監査法人(オレンジ)
④ 革靴
・面接時の革靴の色は「黒」が基本です
・汚れがないことを必ず確認しましょう(面接時によく見えます)
・つま先が尖っているタイプやローファーは避けましょう(ストレートチップ等を推奨)
⑤ 靴下(男性)
・スーツの色が「黒」であれば「黒」、「濃紺」であれば「濃紺」が好ましいです
・地肌が見えるのはNG(面接時はロングソックスを推奨)
⑥ インナー(女性)
・シャツ(またはカットソー)の色は「白」を推奨します
⑦ ストッキング(女性)
・ナチュラル色
⑧ 時計
・ビジネスタイプの腕時計(派手な色はさける)
・キャラクターものはNG
⑨ ビジネスバッグ
・ビジネスタイプの鞄(監査法人や税理士法人で働く人は、大型のビジネスバックを使用する人が多いですが、面接時はノーマルタイプを推奨)
⑩ 髪型・メイク
・派手なカラーやパーマは避けましょう
・ナチュラルメイク
・髪が長めの人はピンやゴムなどで留める(女性)
■■ エントリーシート(自己PR&志望動機)のつくり方
はじめての就職活動となる人はエントリーシートの「自己PR」「志望動機」に何を書けばよいのか?と戸惑うかもしれません。ここでは、自己PRと志望動機(監査法人)のつくり方についてまとめてみます。
■ 自己PRのつくり方
自己PRといっても「特別に自慢できること」を書く(言う)必要は全くありません。
採用側は、みなさんがどんな人物なのか?を知りたいだけなのです。一般的な経験値を具体的に伝えるように心がけましょう。
一般的な自己PRのつくり方(文章の構成)の一例をご紹介します。
① PRする自分の長所(キーワード)を設定する
② ①を説明できるエピソードを加える
③ 今後①を社会人(会計士)としてどう生かしたいのかを添える
PRすべき自分の長所が見当たらない方は、経済産業省が2006年に提唱した「社会人基礎力」を参照するのも一案です。
参照:社会人基礎力
(1) 前に踏み出す力(「主体性」「働きかけ力」「実行力」)
(2) 考え抜く力(「課題発見能力」「想像力」「計画力」)
(3) チームで働く力(「発信力」「傾聴力」「柔軟性」)
たとえば、こんな感じです。
① 私は協調性をもってチームで働くことができます。
② 中学時代から10年間サッカーをやってきました。
集団競技の中で・・・・が最高の思い出です。
③ これからは、信頼される会計士になるために・・・・。
大切なのは、あなたがどんな人物なのかを採用担当者に伝えることです。
一点注意すべきは、監査法人への応募者は全員「会計士受験を頑張ってきた人」なので、受験勉強をPRの素材にしないことです(素材にしても採否には影響はでませんのでご安心を)。
自己PRのつくり方に不安が残る方は、TACキャリアサポートセンターに相談するか「会計士受験生のために就職説明会」の運営スタッフへお声がけください。当該説明会は、会計士受験生(論文式受験生)であればどなたでも参加できます(予備校は不問です)。
■ 志望動機のつくり方(大手監査法人編)
例年、9割程度の受験生は四大監査法人(あずさ有限責任監査法人、EY新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ、PwCあらた有限責任監査法人)への就職を希望します。
4社を併願する人も多いと思いますが、志望度の高い順番にスケジュール調整をしたほうがよいでしょう。
BIG4の中でも「なぜその監査法人」で働きたいのか?を1つでも含めると良いです。
各監査法人のクライアントは、ネットでも簡単に知ることができますので、ざっくりと予習をしておくことをお勧めします。
志望動機のつくり方の一例は、以下のとおりです。
① 〇〇〇な会計士になりたい
② そのためにはBIG4で働きたい
③ BIG4の中でも●●●監査法人で働きたい理由は▲▲▲だからです
① の例としては「日本を代表する大企業の監査をしたい」など。
但し、志望動機を具体的に書きすぎると、面接で墓穴を掘るリスクもでてきます。
面接官「うちのクライアントだとどこを監査してみたいの?」
応募者「はい、〇〇銀行です!」
面接官「〇〇銀行はうちのクライアントじゃないよ」
なんてことにはならないように。
▲▲▲は、「法人説明会でお会いした〇〇さんのお話を伺い、私も〇〇さんのような会計士になりたいと感じたからです」とった具体的なフレーズもよいでしょう。
話すことが苦手な人については、
「四社の説明会に参加して一番印象が良かったからです。具体的には〇〇〇です。」
くらいが最も無難といえるかもしれません。
■ 志望動機のつくり方(中堅・中小監査法人編)
近年、中小監査法人が積極的に新卒採用(定期採用)を展開しています。大手監査法人の監査報酬が高騰傾向にあり、中小監査法人へスイッチする企業が増えているためです。
10年前と比較すると「絶対に四大監査法人」という受験生も減少傾向にあるように思えます。
中堅・中小監査法人で働くメリットは、業務の幅が広く、若いうちから優秀なパートナーの直轄でチームを牽引できることでしょうか。魅力的な中小監査法人は増えてきています。中小監査法人毎に特徴が異なりますので、「就職説明会」で耳を傾けていただきたいこころです。
さて、中堅・中小監査法人の志望動機のつくり方ですが、
大手監査法人とは明確に異なります。
なぜならば、中堅・中小監査法人の採用担当者は応募者の「志望度」をもっとも重視するからです。また、採用人数が大手と比較すると圧倒的に少ないため、内定倍率が相対的に高くなることもあります。いずれにせよ、中堅・中小監査法人においては「高い確度で入社してくれそうな人」が採用されます。
志望動機のつくる上でのポイントは、1つ。
「なぜ大手ではなく、〇〇監査法人で働いたのか」を具体的に明示することです。
参考までに、太陽有限責任監査法人のリクルート動画は「中堅監査法人で働くメリット」がよくまとまっています。弊社(TACプロフェッションバンク)HPの「動画で知る会計業界」をご覧ください。
■ 志望動機の作り方(税理士法人・コンサルティング会社・金融機関など)
キャリアプランとして、監査法人を経由した上で税理士法人やコンサルティング会社(または大手監査法人グループ内のアドバイザリー部門)で働くことは珍しくありません。
将来的に、監査ではなく国際税務や移転価格、M&Aアドバイザリーなど監査以外の分野で活躍したいことが明確であれば、監査法人を経由せずに最初から税理士法人やコンサルティング会社、金融機関などに就職することは賢い差別化戦略といえるでしょう。
公認会計士(論文式試験合格者)を積極採用している組織としては、PwC税理士法人、株式会社KPMG FAS、株式会社経営共創基盤(IGPI)、三菱東京銀行などが挙げられます。
いずれにしても、監査法人よりも入社ハードルは高くなりますので、しっかりとした準備が必要です。
「なぜ監査ではなく、税務なのか?コンサルなのか?金融機関なのか?」
という理由を論理的にPRできるように準備を進めましょう。
具体的な業務内容を知りたい方は、TACプロフェッションバンクへご相談ください。
参考までに、株式会社経営共創基盤(IGPI)で働く会計士座談会の動画を弊社HPで閲覧することが可能です。
■■ 面接当日の持ち物
① ES(エントリーシート)のコピー
面接では基本的にESの内容に沿った質問をされる可能性が高くなります。ESに何を書いたのかを忘れないように複写を控えておきましょう。志望理由、自己PR、これまでに頑張ったことなどの回答(口頭ベース)は必ず準備しておくこと。緊張しやすい人は、声に出して練習しておくといいかもしれません。
② 時計
時間管理はビジネスでもっとも重要とされます。ゆとりをもって会場入りしましょう。
特に大手監査法人のビルはビジネス街の中心にあるため、都心になれていない人は順路に迷います。初めて行く人には注意が必要です。
③ 携帯(スマホ)
地図アプリ、路線情報、当日時事情報、緊急時の連絡 など
④ 傘、ハンカチ
雨が降る可能性があるなら携帯必須(面接時の身だしなみに影響するため)
■■ 監査法人の面接で聞かれること
はじめての面接は誰もが緊張することでしょう。特に会計士受験生は一般企業の就活を経験していない学生が多いので「面接慣れ」している人は少数派です。
ここで、監査法人の頻出質問をジャンル別に解説していきます。
■自己紹介系
「自己紹介してください」
「自己PRしてください」
「長所と短所について教えてください」
これらの質問は面接の「序盤」で聞かれます。自己紹介系の質問は、事前にイメージしておかないと言葉につまりやすいので注意が必要です。但し、これらの質問は「単なる挨拶」だと認識してください。面接官は、応募者の表情・視線・服装(清潔感)などをチェックしているに過ぎません。
ポイントは1つ。手短に元気よく話すことです。
<自己紹介の例>
「私、〇〇〇〇(フルネーム)と申します。趣味は〇〇です。来年からは是非〇〇監査法人で働きたいと思っています。本日はどうぞよろしくお願いします!」
注意点は「学生言葉」を丸出しにしないことです。一人称は「私(わたし・わたくし)」が好ましいです。「自分は」「自分的には」はNGです。
<自己PRの例>
「私の長所は、〇〇です。高校時代は弓道部に所属し、〇〇〇〇が身に付きました。これからは新人会計士として、〇〇していきたいと思っています。よろしくお願いします!」
「TOEIC900点」「部活で全国大会に出場した」など具体的なPRをする必要性は一切ありません(そのようなPRがある人も、エントリーシートに記入するだけでOKです。)。会話のきっかけづくりの時間だと考えてください。
■過去の経験
「今まで一番力をいれたこと何ですか?」
「今まで最も苦労したことは何ですか?」
「チームで何かを成し遂げたことはありますか?」
「リーダーシップの経験はありますか?」
部活動やサークルなどの役職名をPRする必要はありません。
また、大学時代は会計士受験勉強に集中してきた方が多いと思います。
趣味や特技は高校時代のエピソードを引用しても良いでしょう。
■会計士系
「会計士を志した理由は何ですか?」(過去)
「会計士にとって大切なことは何だと思いますか?」(現在)
「志望動機を教えてください」(現在)
「どんな業務を担当したいですか?」(近い未来)
「将来はどんな会計士になりたいですか?」(遠い未来)
少し難しいのはやはり「志望動機」でしょう。
就職説明会や法人主催のセミナーなどで「素材」をみつけるようにしましょう。
説明会などでお会いした方のお名前とお話した内容はメモをしておきましょう。
オリジナルの志望動機作成に活かせるはずです。
■イレギュラー系
「他はどの法人を受けていますか?」
「仕事の期限に遅れてしまいそうなときにはどうしますか?」
「どんな人が苦手ですか?」
「その苦手な人が上司だったらどうしますか?」
「最近憤りを覚えたことは何ですか?」
採用面接はビジネスの場です。
第一志望はどこか?と問われた際には、もちろん「YES」と回答するべきです。
併願の有無については素直に回答して良いです。
但し、中堅中小監査法人については、内定を出した際の採用確度を重視します。
併願法人がBIG4だけに偏ると志望動機に矛盾が生じるリスクがあります。
また、「エントリーしていない法人」について聞かれることもあります。
その際は他法人の悪口とならないように気をつけましょう。
これは他のイレギュラー系質問も同様です。
「苦手な人」「ストレスを感じるとき」などのネガティブフレーズは、あなたの性格を確かめるための質問です。このような質問に対しては、あえて明るい表情で回答したいです。
■ 少し困る質問
面接の最後のお約束フレーズですが「最後に質問はありますか?」と問われることが多いです。ここでは、必ずしも質問はしなくとも大丈夫です。
「あずさ監査法人を選んでよかったと思うことを教えていただけますか?」
など、本音ベースの質問をぶつけてみるのも良いでしょう。
だいぶ前のことですが、某四大法人の面接と面接の間に「外国人から話しかけられる」ということがありました。仮にこのようなことがあっても落ち着いてください。英語が堪能な会計士受験生は少数です。外国人から話しかけられて固まってしまわないか?と試されているだけです。
面接では、何があってもとにかく焦らないことです!
仮に緊張してフリーズしてしまった際には「申し訳ございません。少々緊張しております!」
と笑顔でいうことができれば大丈夫です。
■■ まとめ
面接においては「この人なら監査現場へ連れて行っても大丈夫」「この人となら一緒に働きたい」と思ってもらえれば内定を取得できるはずです。
とはいえ定期採用においては、皆ほとんどが未経験者ですので即戦力を求めているわけではありません。
監査法人の通年採用(論文式試験合格者採用)においては、就職活動未経験者が大多数です。
そのため「面接慣れ」している人などいません。
しかし、皆さんにはクライアントとのコミュニケーションはもちろんのこと、監査チームの上長(インチャージ)・メンバー間とのコミュニケーション能力が非常に重要視されますので、面接官と会話する積極的な姿勢が求められます。
監査法人の面接は基本的に会計士試験(論文式試験)に合格した方しか受けることができません。そのため、企業の面接と比較した場合に競争率はかなり低くなります(内定を取得できる確率はかなり高いです)。
面接に自信がない方やどうしても不安な方は、TACキャリアサポートセンターで模擬面接を実施するのも良いでしょう(TAC本科生限定)。
TAC生以外の方はTACプロフェッションバンクにもご相談ください。2021年はWEB面接(リモート面接)の対策セミナーも開催する予定です。詳細はTACプロフェッションバンクのHPでご案内予定です。
会計士受験生の中には「はじめての就活」に不安を感じる人も多いと思いますが、論文式試験が終わるまでは特段準備をする必要はありません。
ですが、論文式試験が終わると「ほぼ同時」に就職活動がスタートしますので、下記のスケジュール感だけは頭の片隅に留めておいてください。
【情報収集①】TAC(予備校)主催の就職説明会(8月)
↓
【情報収集②】監査法人・税理士法人主催のセミナーなど(合格発表前)
↓
【応募&面接】本エントリー&採用面接(合格発表直後)
↓
【内定の取得】採用面接後(当日~1週間以内)
↓
【入社・入所】2月~4月(大学生は卒業後の4月)
論文式試験の翌週に開催される「合同就職説明会(毎年8月)」は、原則としてビジネススーツ着用ですので、スーツ一式をお持ちでない方は論文式試験前に購入しておくと良いでしょう。
特に、志望監査法人(または税理士法人・コンサルティングファーム)が定まっていない人については、就職説明会に参加することをお勧めします。
TAC主催の就職説明会は業界最大規模。大手(四大)監査法人のみならず急成長中の中小監査法人、会計士を積極採用するBIG4系税理士法人、年度によりますがコンサルティングファームやメガバンクなども出展します。
効率的にキャリアの選択肢を「知る」チャンスとなるでしょう。また、後述する「志望動機」を具体的につくるためには、「情報収集」が必須となります。
「論文式に合格しているとは思わなかったので、全く就活していなかった」
という受験生が必ず毎年訪れます。
仮に不合格となっても近い将来は監査法人等に就職することになります。最低限の情報収集だけはしておきましょう。
■■ 就職活動前に準備しておきたいこと(身だしなみ)
監査は「お客様」と接する機会が非常に多い仕事です。ですから、社会人としてのマナーや清潔感が求められます。服装をはじめとした「身だしなみ」の準備を進めておきましょう。ポイントは以下のとおりです。
① スーツ
・「黒」「濃紺」「グレー」を推奨
・サイズのあったものを着用(背丈の異なる父兄からのレンタルは絶対にNG)
・しわのないものを着用(お出かけ前に汚れがないか必ずチェック)
・新品のスーツは仕付け糸をとる(監査法人の面接会場では、毎年仕付け糸をつけたままの人を発見します)
② ワイシャツ(男性)
・クリーニングに出すかきちんとアイロンをかけたワイシャツを着用
・面接においては「白」が基本(会計業界は「白」が無難)
・ボタンダウンでもOK(クールビズ期間にネクタイを締めない場合はボタンダウンシャツが基本なので、あると便利)
・監査法人で働き始めるまでに少なくとも「5枚」は持っておいたほうが無難
③ ネクタイ(男性)
・デザインは光沢のない無地かストライプを推奨
・結ぶのが苦手な人はYou Tube などの動画を参照
・ゆとりのある人は監査法人のコーポレートカラーに合わせるのも一興
(参考)大手監査法人のコーポレートカラー
・あずさ有限責任監査法人(青)
・EY新日本有限責任監査法人(黄色)
・有限責任監査法人トーマツ(黄緑)
・PwCあらた有限責任監査法人(オレンジ)
④ 革靴
・面接時の革靴の色は「黒」が基本です
・汚れがないことを必ず確認しましょう(面接時によく見えます)
・つま先が尖っているタイプやローファーは避けましょう(ストレートチップ等を推奨)
⑤ 靴下(男性)
・スーツの色が「黒」であれば「黒」、「濃紺」であれば「濃紺」が好ましいです
・地肌が見えるのはNG(面接時はロングソックスを推奨)
⑥ インナー(女性)
・シャツ(またはカットソー)の色は「白」を推奨します
⑦ ストッキング(女性)
・ナチュラル色
⑧ 時計
・ビジネスタイプの腕時計(派手な色はさける)
・キャラクターものはNG
⑨ ビジネスバッグ
・ビジネスタイプの鞄(監査法人や税理士法人で働く人は、大型のビジネスバックを使用する人が多いですが、面接時はノーマルタイプを推奨)
⑩ 髪型・メイク
・派手なカラーやパーマは避けましょう
・ナチュラルメイク
・髪が長めの人はピンやゴムなどで留める(女性)
■■ エントリーシート(自己PR&志望動機)のつくり方
はじめての就職活動となる人はエントリーシートの「自己PR」「志望動機」に何を書けばよいのか?と戸惑うかもしれません。ここでは、自己PRと志望動機(監査法人)のつくり方についてまとめてみます。
■ 自己PRのつくり方
自己PRといっても「特別に自慢できること」を書く(言う)必要は全くありません。
採用側は、みなさんがどんな人物なのか?を知りたいだけなのです。一般的な経験値を具体的に伝えるように心がけましょう。
一般的な自己PRのつくり方(文章の構成)の一例をご紹介します。
① PRする自分の長所(キーワード)を設定する
② ①を説明できるエピソードを加える
③ 今後①を社会人(会計士)としてどう生かしたいのかを添える
PRすべき自分の長所が見当たらない方は、経済産業省が2006年に提唱した「社会人基礎力」を参照するのも一案です。
参照:社会人基礎力
(1) 前に踏み出す力(「主体性」「働きかけ力」「実行力」)
(2) 考え抜く力(「課題発見能力」「想像力」「計画力」)
(3) チームで働く力(「発信力」「傾聴力」「柔軟性」)
たとえば、こんな感じです。
① 私は協調性をもってチームで働くことができます。
② 中学時代から10年間サッカーをやってきました。
集団競技の中で・・・・が最高の思い出です。
③ これからは、信頼される会計士になるために・・・・。
大切なのは、あなたがどんな人物なのかを採用担当者に伝えることです。
一点注意すべきは、監査法人への応募者は全員「会計士受験を頑張ってきた人」なので、受験勉強をPRの素材にしないことです(素材にしても採否には影響はでませんのでご安心を)。
自己PRのつくり方に不安が残る方は、TACキャリアサポートセンターに相談するか「会計士受験生のために就職説明会」の運営スタッフへお声がけください。当該説明会は、会計士受験生(論文式受験生)であればどなたでも参加できます(予備校は不問です)。
■ 志望動機のつくり方(大手監査法人編)
例年、9割程度の受験生は四大監査法人(あずさ有限責任監査法人、EY新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ、PwCあらた有限責任監査法人)への就職を希望します。
4社を併願する人も多いと思いますが、志望度の高い順番にスケジュール調整をしたほうがよいでしょう。
BIG4の中でも「なぜその監査法人」で働きたいのか?を1つでも含めると良いです。
各監査法人のクライアントは、ネットでも簡単に知ることができますので、ざっくりと予習をしておくことをお勧めします。
志望動機のつくり方の一例は、以下のとおりです。
① 〇〇〇な会計士になりたい
② そのためにはBIG4で働きたい
③ BIG4の中でも●●●監査法人で働きたい理由は▲▲▲だからです
① の例としては「日本を代表する大企業の監査をしたい」など。
但し、志望動機を具体的に書きすぎると、面接で墓穴を掘るリスクもでてきます。
面接官「うちのクライアントだとどこを監査してみたいの?」
応募者「はい、〇〇銀行です!」
面接官「〇〇銀行はうちのクライアントじゃないよ」
なんてことにはならないように。
▲▲▲は、「法人説明会でお会いした〇〇さんのお話を伺い、私も〇〇さんのような会計士になりたいと感じたからです」とった具体的なフレーズもよいでしょう。
話すことが苦手な人については、
「四社の説明会に参加して一番印象が良かったからです。具体的には〇〇〇です。」
くらいが最も無難といえるかもしれません。
■ 志望動機のつくり方(中堅・中小監査法人編)
近年、中小監査法人が積極的に新卒採用(定期採用)を展開しています。大手監査法人の監査報酬が高騰傾向にあり、中小監査法人へスイッチする企業が増えているためです。
10年前と比較すると「絶対に四大監査法人」という受験生も減少傾向にあるように思えます。
中堅・中小監査法人で働くメリットは、業務の幅が広く、若いうちから優秀なパートナーの直轄でチームを牽引できることでしょうか。魅力的な中小監査法人は増えてきています。中小監査法人毎に特徴が異なりますので、「就職説明会」で耳を傾けていただきたいこころです。
さて、中堅・中小監査法人の志望動機のつくり方ですが、
大手監査法人とは明確に異なります。
なぜならば、中堅・中小監査法人の採用担当者は応募者の「志望度」をもっとも重視するからです。また、採用人数が大手と比較すると圧倒的に少ないため、内定倍率が相対的に高くなることもあります。いずれにせよ、中堅・中小監査法人においては「高い確度で入社してくれそうな人」が採用されます。
志望動機のつくる上でのポイントは、1つ。
「なぜ大手ではなく、〇〇監査法人で働いたのか」を具体的に明示することです。
参考までに、太陽有限責任監査法人のリクルート動画は「中堅監査法人で働くメリット」がよくまとまっています。弊社(TACプロフェッションバンク)HPの「動画で知る会計業界」をご覧ください。
■ 志望動機の作り方(税理士法人・コンサルティング会社・金融機関など)
キャリアプランとして、監査法人を経由した上で税理士法人やコンサルティング会社(または大手監査法人グループ内のアドバイザリー部門)で働くことは珍しくありません。
将来的に、監査ではなく国際税務や移転価格、M&Aアドバイザリーなど監査以外の分野で活躍したいことが明確であれば、監査法人を経由せずに最初から税理士法人やコンサルティング会社、金融機関などに就職することは賢い差別化戦略といえるでしょう。
公認会計士(論文式試験合格者)を積極採用している組織としては、PwC税理士法人、株式会社KPMG FAS、株式会社経営共創基盤(IGPI)、三菱東京銀行などが挙げられます。
いずれにしても、監査法人よりも入社ハードルは高くなりますので、しっかりとした準備が必要です。
「なぜ監査ではなく、税務なのか?コンサルなのか?金融機関なのか?」
という理由を論理的にPRできるように準備を進めましょう。
具体的な業務内容を知りたい方は、TACプロフェッションバンクへご相談ください。
参考までに、株式会社経営共創基盤(IGPI)で働く会計士座談会の動画を弊社HPで閲覧することが可能です。
■■ 面接当日の持ち物
① ES(エントリーシート)のコピー
面接では基本的にESの内容に沿った質問をされる可能性が高くなります。ESに何を書いたのかを忘れないように複写を控えておきましょう。志望理由、自己PR、これまでに頑張ったことなどの回答(口頭ベース)は必ず準備しておくこと。緊張しやすい人は、声に出して練習しておくといいかもしれません。
② 時計
時間管理はビジネスでもっとも重要とされます。ゆとりをもって会場入りしましょう。
特に大手監査法人のビルはビジネス街の中心にあるため、都心になれていない人は順路に迷います。初めて行く人には注意が必要です。
③ 携帯(スマホ)
地図アプリ、路線情報、当日時事情報、緊急時の連絡 など
④ 傘、ハンカチ
雨が降る可能性があるなら携帯必須(面接時の身だしなみに影響するため)
■■ 監査法人の面接で聞かれること
はじめての面接は誰もが緊張することでしょう。特に会計士受験生は一般企業の就活を経験していない学生が多いので「面接慣れ」している人は少数派です。
ここで、監査法人の頻出質問をジャンル別に解説していきます。
■自己紹介系
「自己紹介してください」
「自己PRしてください」
「長所と短所について教えてください」
これらの質問は面接の「序盤」で聞かれます。自己紹介系の質問は、事前にイメージしておかないと言葉につまりやすいので注意が必要です。但し、これらの質問は「単なる挨拶」だと認識してください。面接官は、応募者の表情・視線・服装(清潔感)などをチェックしているに過ぎません。
ポイントは1つ。手短に元気よく話すことです。
<自己紹介の例>
「私、〇〇〇〇(フルネーム)と申します。趣味は〇〇です。来年からは是非〇〇監査法人で働きたいと思っています。本日はどうぞよろしくお願いします!」
注意点は「学生言葉」を丸出しにしないことです。一人称は「私(わたし・わたくし)」が好ましいです。「自分は」「自分的には」はNGです。
<自己PRの例>
「私の長所は、〇〇です。高校時代は弓道部に所属し、〇〇〇〇が身に付きました。これからは新人会計士として、〇〇していきたいと思っています。よろしくお願いします!」
「TOEIC900点」「部活で全国大会に出場した」など具体的なPRをする必要性は一切ありません(そのようなPRがある人も、エントリーシートに記入するだけでOKです。)。会話のきっかけづくりの時間だと考えてください。
■過去の経験
「今まで一番力をいれたこと何ですか?」
「今まで最も苦労したことは何ですか?」
「チームで何かを成し遂げたことはありますか?」
「リーダーシップの経験はありますか?」
部活動やサークルなどの役職名をPRする必要はありません。
また、大学時代は会計士受験勉強に集中してきた方が多いと思います。
趣味や特技は高校時代のエピソードを引用しても良いでしょう。
■会計士系
「会計士を志した理由は何ですか?」(過去)
「会計士にとって大切なことは何だと思いますか?」(現在)
「志望動機を教えてください」(現在)
「どんな業務を担当したいですか?」(近い未来)
「将来はどんな会計士になりたいですか?」(遠い未来)
少し難しいのはやはり「志望動機」でしょう。
就職説明会や法人主催のセミナーなどで「素材」をみつけるようにしましょう。
説明会などでお会いした方のお名前とお話した内容はメモをしておきましょう。
オリジナルの志望動機作成に活かせるはずです。
■イレギュラー系
「他はどの法人を受けていますか?」
「仕事の期限に遅れてしまいそうなときにはどうしますか?」
「どんな人が苦手ですか?」
「その苦手な人が上司だったらどうしますか?」
「最近憤りを覚えたことは何ですか?」
採用面接はビジネスの場です。
第一志望はどこか?と問われた際には、もちろん「YES」と回答するべきです。
併願の有無については素直に回答して良いです。
但し、中堅中小監査法人については、内定を出した際の採用確度を重視します。
併願法人がBIG4だけに偏ると志望動機に矛盾が生じるリスクがあります。
また、「エントリーしていない法人」について聞かれることもあります。
その際は他法人の悪口とならないように気をつけましょう。
これは他のイレギュラー系質問も同様です。
「苦手な人」「ストレスを感じるとき」などのネガティブフレーズは、あなたの性格を確かめるための質問です。このような質問に対しては、あえて明るい表情で回答したいです。
■ 少し困る質問
面接の最後のお約束フレーズですが「最後に質問はありますか?」と問われることが多いです。ここでは、必ずしも質問はしなくとも大丈夫です。
「あずさ監査法人を選んでよかったと思うことを教えていただけますか?」
など、本音ベースの質問をぶつけてみるのも良いでしょう。
だいぶ前のことですが、某四大法人の面接と面接の間に「外国人から話しかけられる」ということがありました。仮にこのようなことがあっても落ち着いてください。英語が堪能な会計士受験生は少数です。外国人から話しかけられて固まってしまわないか?と試されているだけです。
面接では、何があってもとにかく焦らないことです!
仮に緊張してフリーズしてしまった際には「申し訳ございません。少々緊張しております!」
と笑顔でいうことができれば大丈夫です。
■■ まとめ
面接においては「この人なら監査現場へ連れて行っても大丈夫」「この人となら一緒に働きたい」と思ってもらえれば内定を取得できるはずです。
とはいえ定期採用においては、皆ほとんどが未経験者ですので即戦力を求めているわけではありません。
監査法人の通年採用(論文式試験合格者採用)においては、就職活動未経験者が大多数です。
そのため「面接慣れ」している人などいません。
しかし、皆さんにはクライアントとのコミュニケーションはもちろんのこと、監査チームの上長(インチャージ)・メンバー間とのコミュニケーション能力が非常に重要視されますので、面接官と会話する積極的な姿勢が求められます。
監査法人の面接は基本的に会計士試験(論文式試験)に合格した方しか受けることができません。そのため、企業の面接と比較した場合に競争率はかなり低くなります(内定を取得できる確率はかなり高いです)。
面接に自信がない方やどうしても不安な方は、TACキャリアサポートセンターで模擬面接を実施するのも良いでしょう(TAC本科生限定)。
TAC生以外の方はTACプロフェッションバンクにもご相談ください。2021年はWEB面接(リモート面接)の対策セミナーも開催する予定です。詳細はTACプロフェッションバンクのHPでご案内予定です。
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