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日本の公認会計士は試験合格者を含めて約4万人です。その約40%がBIG4、約5%が中小監査法人で働いています。また、2018年12月時点の組織内会計士は1,745名と約5%です。半数の会計士は、それ以外の働き方をしているということです。会計士のキャリアは十人十色。本コラムでは、個性的な会計士の「生き方」に触れていきます。

監査法人の歴史について

監査法人の歴史について

1. 監査法人とは


監査法人(かんさほうじん)とは、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の監査または証明を組織的に行うことを目的として、公認会計士が共同して設立した法人を示します(公認会計士法第1条の3第3項)。監査証明業務の他に非監査業務やコンサルティング業務なども担います。日本には中小規模を含めると200以上の監査法人がありますが、代表的な「4大監査法人(BIG4)」が上場企業における監査業務の8割程度のシェアを有しているとされています。


2. 監査制度の歴史


日本の公認会計士監査制度は、「公認会計士法」が成立したことから始まります。
以下、年表形式で監査制度の変化を確認しましょう。

2.	監査制度の歴史



<監査制度を大きく変えたきっかけ>
1951年に正規の監査が開始されたころからオリンピック景気(1962 年~1964 年)にかけて、経済は段階的な成長を遂げていきました。しかし、オリンピックが終わり景気の後退するタイミングで、
「日本特殊鋼」「サンウエーブ工業」「富士車輛」「山陽特殊製鋼」など多くの上場企業の倒産や破綻が相次ぎました。調査の結果、これらの会社の中には単純な業績不振の会社ではなく、粉飾を繰り返していた会社が多くあったことが判明しました。

山陽特殊製鋼事案においては、当時の経営陣が約70億円の粉飾決算を行っていたことが発覚しました。監査人は粉飾の事実に気づいていたが、監査報告書に記載することも無く7年もの間、適正意見を表明し続けておりました。また、監査補助をつけず個人で監査を行って以下ことも明らかになりました。
この事件を経て、組織的監査の導入を求める動きが活発化し、(1)監査法人制度の導入、(2)監査基準の改訂、(3)商法監査の導入、(4)日本公認会計士協会の特殊法人化など、監査制度が大きく変わりました。

また、そのタイミングでもう一つ公認会計士制度に大きな影響を与えた「不二サッシ事件」が起きました。山陽特殊製鋼の事案と同様に公認会計士が粉飾決算を知りながら監査報告書にサインをしたとされていますが、特に問題視されていたのが、公認会計士1人で監査を実施し、監査報告書にサインをしたことです。
これらをはじめとした事件を踏まえて、日本公認会計士協会は、1979年6月に「組織的監査要綱」を公表し、指揮命令系統と職務分担の明確化を定めました。現在の監査法人でのチーム制監査の体制はここから始まりました。


3. 四大監査法人の歴史



■新日本有限責任監査法人(E&Y)
1967年 前身である「監査法人太田哲三事務所」が日本初の監査法人として発足
1985年 昭和監査法人と合併し太田昭和監査法人となる
2000年 KPMGメンバーファームのセンチュリー監査法人と統合(監査法人太田昭和センチュリー)
2001年 監査法人テイケイエイ飯塚毅事務所と高千穂監査法人が合流し新日本監査法人に改称
※当時の新日本監査法人は、E&YとKPMGのダブルファーム状態
2003年 KPMGの監査部門を分離、あずさ監査法人を設立。KPMGとのダブルファーム状態を解消
2007年 みすず監査法人(元PwC)からクライアント受け入れ
2008年 日本初の有限責任監査法人誕生(新日本有限責任監査法人)


■有限責任あずさ監査法人(KPMG)
1969年 監査法人朝日会計社設立
1976年 監査法人朝日会計社が当時「Big8」と呼ばれていた会計事務所の一つアーサー・ヤングと提携
1984年 アーサー・アンダーセンが英和監査法人を設立し新和監査法人と合併後、監査法人朝日新和会計社となる
1993年 監査法人朝日新和会計社と井上斎藤英和監査法人(1978年4月設立)が合併し、朝日監査法人発足
2003年 KPMGジャパン(1949年 ピート・マーウィック・ミッチェル日本事務所として東京に設立)の監査部門が、あずさ監査法人を設立
2003年 朝日監査法人がKPMGのメンバーファームに正式加入
2004年 朝日監査法人とあずさ監査法人が合併し、法人名をあずさ監査法人として発足、引き続きKPMGのメンバーファーム
2010年 有限責任監査法人に移行し、法人名を「有限責任 あずさ監査法人」に変更

■有限責任監査法人トーマツ(DTT)
1968年 等松・青木監査法人設立
1975年 トウシュ ロス インターナショナル(TRI)へ加盟
1986年 監査法人サンワ事務所(1973年6月設立)と合併し、法人名称を「サンワ・等松青木監査法人」に変更
1988年 監査法人西方会計士事務所(1969年8月設立)及び監査法人札幌第一会計(1976年4月設立)と合併
1990年 デロイト・ハスキンズ・アンド・セルズ・インターナショナルとトウシュ・ロス・インターナショナルが合併。国際名称をデロイト ロス トーマツ インターナショナル(DRTI)に変更
1990年 監査法人三田会計社(1985年6月設立)と合併し、名称を「監査法人トーマツ」に変更
2001年 サンアイ監査法人(1983年5月設立)と合併
2002年 監査法人誠和会計事務所(1974年12月設立)と合併
2009年 有限責任監査法人へ移行し、法人名称を「有限責任監査法人トーマツ(英文名称:Deloitte Touche Tohmatsu LLC)」に変更


■あらた監査法人(PwC)
2000年 中央監査法人(C&L)と青山監査法人(Pw)が合併して中央青山監査法人(PwC)が発足
2006年 一連の不祥事を受けてみすず監査法人に改称
※翌2007年にみすず監査法人解散
2006年 PwCが日本法人としてあらた監査法人(PwC)を設立
2007年 みすず監査法人からクライアント受け入れ


4. 監査法人の役割


監査法人の基本的な役割は、企業がおこなった会計処理や決算について、第三者の目線でチェックし、組織として、企業の財務情報の信頼性を確保し、国民経済の健全な発展に寄与する公益的な役割を担っております。会計処理のミスや、企業が悪意を持って粉飾している可能性があるため、細かく確認します。なお、会計業務は公認会計士の独占業務であるため、公認会計士しか行うことができません。

企業は監査法人に入ってもらうことで、クリーンな経営を社会に証明することができます。そのため、株主や投資家などに決算書を信用してもらうためには監査法人による意見表明を受ける必要があります。
監査を受ける必要性については会社法において法定監査の基準が定められており、最終事業年度の資本金が5億円以上、または負債が合計200億円以上になる会社は、会計監査を必ず受けなくてはなりません。


5. 監査法人リスト


 令和5年9月末日時点、国内の監査法人は288社存在します。
 以下、規模別に代表的な監査法人です。上場クライアント数、提携先を合わせてご確認ください。

■4大監査法人
・EY新日本有限責任監査法人(上場クライアント772社)
アーンスト&ヤング(本部ロンドン)と提携
・有限責任監査法人トーマツ(751社)
デロイト トウシュ トーマツ(本部ニューヨーク)と提携
・有限責任あずさ監査法人(632社)
KPMG(本部アムステルダム)と提携
・PwC Japan有限責任監査法人(196社)
プライスウォーターハウスクーパースと提携

■準大手監査法人
・太陽有限責任監査法人(339社、提携先 - グラントソントン・インターナショナル)
・仰星監査法人(114社、提携先 - ネクシアインターナショナル(英語版))
・東陽監査法人(80社、提携先 - クロウ・グローバル)
・三優監査法人(74社、提携先 - BDOインターナショナル)

■中小規模監査事務所
・アーク有限責任監査法人(59社、提携先 - Kreston International)
・監査法人アヴァンティア(36社、提携先 - International Accounting & Audit Network)
・監査法人A&Aパートナーズ(35社、提携先 - プラント・アンド・モラン(英語版))
・ひびき監査法人(29社、提携先 - PKFインターナショナル(英語版))
・監査法人アリア(26社)
・監査法人東海会計社(25社)
・RSM清和監査法人(24社、提携先 - RSMインターナショナル)
・海南監査法人(24社)
・Mooreみらい監査法人(24社、提携先 - Moore Global Network)
・かなで監査法人(19社)
・UHY東京監査法人(19社、提携先 - UHY)
・監査法人日本橋事務所(18社、提携先 - ベーカーティリーインターナショナル)
・監査法人ハイビスカス(18社、提携先 - Russell Bedford International)
・ふじみ監査法人(17社、提携先 - BKRインターナショナル)
・協立神明監査法人(15社)
・かがやき監査法人(13社)
・八重洲監査法人(12社、提携先 - Kreston International)
・清陽監査法人(12社)
・東邦監査法人(12社)
・五十鈴監査法人(12社)
・清稜監査法人(12社)
・史彩監査法人(12社)
・フロンティア監査法人(12社)
・保森監査法人(12社)
・監査法人和宏事務所(12社)
・HLB Meisei有限責任監査法人(10社、提携先 - HLB International)
・KDA監査法人(8社)
・えひめ有限責任監査法人(3社)
・アスカ監査法人(提携先 - TIAG(The International Accounting Group)
・ロイヤル監査法人

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