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税理士の転職先・転職市場動向
税理士は日本全国で約75,000人います。しかし、その平均年齢は60歳を過ぎており「税務実務の現場」では、若手職員が危機的に不足しています。税理士受験者数は減少を続け2019年には29,779名となり、3万人を割り込みました。税理士業界は採用難時代となり「入社条件」は緩和される一方なのです。今日、大手税理士法人でも1科目合格者や未経験の新卒を積極的に採用しています。類を見ない売手市場の今、好待遇で会計税務のコンサルタントとして活躍できるチャンスが溢れています。本コラムでは「税理士業界でキャリアを築くヒント」を不定期に掲載していきます。
会計士受験生が税理士受験にシフトするメリットを考える
公認会計士試験は医師や弁護士と並ぶ三大国家試験といわれ、難易度の高い国家試験の1つとして知られています。仕事内容は独占業務の財務諸表監査・内部統制監査をはじめ、財務・経理、株式公開支援、会計コンサルティングなど多岐にわたり、専門性が非常に高いため、毎年多くの受験生が試験に挑戦します。その一方で、大学卒業や今後のキャリアの再考をきっかけに、会計士受験に区切りをつけられる方もおります。今回のコラムでは、公認会計士試験の知識を活かして税理士受験にシフトするメリットをご紹介します。
公認会計士試験は、短答式試験と論文式試験から構成されます。1次試験である短答式試験に合格したのち、2次試験である論文式試験の受験ができるという仕組みです。
短答式試験に合格すると、以後2年間は短答式試験が免除され、論文式試験からの受験が可能です。
論文式試験が不合格となった場合でも、一部科目合格制度により合格した論文科目は、以降2年間免除されます。
【科目】
公認会計士の試験科目は、短答式試験と論文式試験をあわせると合計9科目と多く、各科目の試験範囲も広いためボリュームがあります。
・短答式試験科目…必須科目4科目(財務会計論、管理会計論、会社法、監査論)
・論文式試験科目…必須4科目(会計学、監査論、企業法、租税法)、選択1科目(経営学、経済学、民法、統計学)の計5科目
【年齢層】
公認会計士受験生の年齢層は比較的若く、公認会計士の合格者の平均年齢はだいたい25歳前後です。
以下、令和5年試験のデータを見ると「20歳以上25歳未満」が全体の63.3%を占めております。
会計士試験合格に必要な勉強時間は3,500〜5,000時間が目安といわれています。1日に平均5時間勉強した場合、少なくとも700日かかるため、受験の準備期間の設定は1年半〜2年が一般的です。よって、学習時間を確保できる大学生のうちから勉強を始める人が多いです。
<令和5年公認会計士試験 合格者調>
出典:金融庁 令和5年公認会計士試験 合格者調
https://www.fsa.go.jp/cpaaob/kouninkaikeishi-shiken/r5shiken/ronbungoukaku_r05.html
【受験時期】
短答式試験は例年、第Ⅰ回は12月上旬に、第Ⅱ回は翌年の5月下旬に、それぞれ朝から夕方まで丸一日かけて行われます。論文式試験は例年、8月下旬に3日間かけて行われます。
【受験資格】
公認会計士試験への受験資格は設けられておらず、年齢・性別・学歴・国籍を問わず、誰でも受験することができます。
税理士試験は必須科目2科目、選択必須科目2科目、選択科目7科目の計11科目の中から5科目合格することで、税理士試験の合格となります。
税理士試験は1科目ずつ受験することができ1度合格した科目は生涯有効なので、時間をかけて合格科目を積み上げることができます。
また、税理士試験の科目ごとの勉強時間は300~1,200時間が目安で、選択する科目によっては効率的に合格を勝ち取ることができます。
【科目】
・必須科目(会計科目) …簿記論、財務諸表論
・選択必修科目(税法科目)…法人税法、所得税法
・選択科目(税法科目) …相続税法、消費税法/酒税法(いずれか1科目)、国税徴収法、
住民税/事業税(いずれか1科目)、固定資産税
【受験時期】
例年、7月下旬~8月上旬の平日3日間で試験が実施されます。
【年齢層】
税理士受験生の年齢層は会計士受験生と比較して年々高くなっている傾向にあり、最も多い年代は「41歳以上」で34%を占めています。2005年と2023年の受験者年齢別推移を見てみると、18年間で30歳以下の層は約56%も減少しております。25歳以下の税理士合格者はわずか53名(令和5年)で、若年層の税理士は希少であり、市場においては高需要が続いています。
出典: 国税庁 年度別税理士試験結果表(学歴別・年齢別)
https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishishiken/zeirishi.htm
【受験資格】
令和5年度 第73回税理士試験から、会計科目(簿記論・財務諸表論)については受験資格の制限がなくなり、どなたでも受験が可能となりました。
税法科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)については、学識、資格、職歴など様々な分野の受験資格を定めており、いずれかの要件を満たせば受験資格を有することになります。
税理士試験の必須科目である会計科目の「簿記論」と「財務諸表論」は、公認会計士試験において学習している財務会計論(計算/理論)の知識により十分に合格を狙うことができます。
次の項目にて、簿記論、財務諸表論それぞれの出題分野を具体的に見ていきましょう。
① 簿記論・財務諸表論の出題分野を知る
税理士試験の簿記論と財務諸表論は、公認会計士短答式試験(財務会計論)と大きな相違はありません。
簿記論および財務諸表論の計算問題では、公認会計士試験短答式試験における財務会計論の出題項目と同じ内容が出題されています。
また、財務諸表の理論問題についても出題形式は異なりますが、出題項目は公認会計士短答式試験と大きな違いはありません。
【簿記論】
すべて計算問題になります。
三問形式の出題となり、第一問・第二問(学者試験委員による出題)は、簿記の一巡の手続の流れや個々の論点に関する理解度が問われる個別問題が出題されます。第三問(実務家試験委員による出題)は、実務的な色彩が強い総合問題が出題されます。
【財務諸表論】
理論(50点)と計算(50点)に分けて出題されます。
理論は、会計に関する考え方について論述形式を中心とした問題が、穴埋め問題・記号選択問題・論述形式などで出題されます。
計算問題は、決算整理型の総合問題となり、会社法などの法律に従って実際に財務諸表を作成することを主題とする出題がされます。
理論については、出題形式の面では会計士試験と若干相違する部分がありますが、出題論点はほぼ同じですので、会計士の学習された内容で十分に対応ができます。
一方、計算については、「会社法」や「会社計算規則」に準拠した表示上のルールに関する知識を新たに身に着ける必要があります。
<会計士の就転職>
公認会計士試験合格者の約9割が最初に選ぶ、最も一般的な就職先として監査法人があげられます。監査業務は公認会計士のみが行える独占業務であるため、まずは監査法人に就職し監査の経験を積む人が多いです。
将来的に独立したいと考える場合は、税理士事務所や会計事務所へ就職という道もあります。税務相談や税金計算、確定申告業務や税務/経営コンサルタント等が主な業務内容で、監査法人よりも実践的な形で税務の知識を取得することができます。
一般事業会社(上場企業や大会社)での経理・財務部門に就職することも、安定したキャリアパスの一つです。公認会計士としての専門知識を活かし、企業の経営をサポートする重要な役割を担います。
また、コンサルティングファームでは、企業の戦略やM&A、人事など企業の抱える悩みに対してアドバイザリー業務に携わることができます。
最近ではデューデリジェンス、財務分析などの財務の知識を活かして投資銀行や証券会社に就職する人も増えてきています。M&AやIPOの支援を行っており、経理・財務業務の経験を活かす形で活躍する場面があります。
<税理士の就転職>
税理士の最初の就職先として、税理士法人はメジャーな就職先です。規模によって分類するとBIG4税理士法人、大手税理士法人、準大手税理士法人、中小税理士法人の4つに分けられます。
仕事の内容や報酬、目指すキャリアによって就職先を選択し、経験を積んでいくのが一般的です。
今日、若年層の受験者数の減少が著しいことから、BIG4税理士法人や大手税理士法人でも1科目合格者や未経験の新卒を積極的に採用しています。売手市場の今、好待遇で会計税務のコンサルタントとして活躍できるチャンスが溢れています。
専門性を磨きたい分野が決まっている場合は、公認会計士と同様にコンサルティングファームという選択肢があります。事業承継・国際税務・IPO・M&Aなど、さまざまな分野の中から自分が得意あるいは経験がある専門を選び、それが得意なコンサルティングファームに転職する傾向にあります。
そのほか、事業会社や金融機関での転職も選択肢としてはありますが、それに付随する経験があるかどうかが大きなポイントとなります。
公認会計士と税理士で、年収はどれほど違うのでしょうか。
それぞれスタッフ、マネージャー、パートナーの階層別に比較してみましょう(いずれも大手法人基準)。
<会計士>
<税理士>
それぞれの階層別に年収を比べてみても、収入に大差はない事が分かります。
特に管理職になっていくと、法人内での役職や担当する部署の成果等によって年収が決まっていく傾向にあるので、会計士と税理士で明確に違いは内容に見受けられます。
また、将来的に独立開業した場合は本人の営業能力、営業努力次第ですので、資格の違いはありません。
公認会計士試験と税理士試験の比較
公認会計士試験
公認会計士試験は、短答式試験と論文式試験から構成されます。1次試験である短答式試験に合格したのち、2次試験である論文式試験の受験ができるという仕組みです。
短答式試験に合格すると、以後2年間は短答式試験が免除され、論文式試験からの受験が可能です。
論文式試験が不合格となった場合でも、一部科目合格制度により合格した論文科目は、以降2年間免除されます。
【科目】
公認会計士の試験科目は、短答式試験と論文式試験をあわせると合計9科目と多く、各科目の試験範囲も広いためボリュームがあります。
・短答式試験科目…必須科目4科目(財務会計論、管理会計論、会社法、監査論)
・論文式試験科目…必須4科目(会計学、監査論、企業法、租税法)、選択1科目(経営学、経済学、民法、統計学)の計5科目
【年齢層】
公認会計士受験生の年齢層は比較的若く、公認会計士の合格者の平均年齢はだいたい25歳前後です。
以下、令和5年試験のデータを見ると「20歳以上25歳未満」が全体の63.3%を占めております。
会計士試験合格に必要な勉強時間は3,500〜5,000時間が目安といわれています。1日に平均5時間勉強した場合、少なくとも700日かかるため、受験の準備期間の設定は1年半〜2年が一般的です。よって、学習時間を確保できる大学生のうちから勉強を始める人が多いです。
<令和5年公認会計士試験 合格者調>
出典:金融庁 令和5年公認会計士試験 合格者調
https://www.fsa.go.jp/cpaaob/kouninkaikeishi-shiken/r5shiken/ronbungoukaku_r05.html
【受験時期】
短答式試験は例年、第Ⅰ回は12月上旬に、第Ⅱ回は翌年の5月下旬に、それぞれ朝から夕方まで丸一日かけて行われます。論文式試験は例年、8月下旬に3日間かけて行われます。
【受験資格】
公認会計士試験への受験資格は設けられておらず、年齢・性別・学歴・国籍を問わず、誰でも受験することができます。
税理士試験
税理士試験は必須科目2科目、選択必須科目2科目、選択科目7科目の計11科目の中から5科目合格することで、税理士試験の合格となります。
税理士試験は1科目ずつ受験することができ1度合格した科目は生涯有効なので、時間をかけて合格科目を積み上げることができます。
また、税理士試験の科目ごとの勉強時間は300~1,200時間が目安で、選択する科目によっては効率的に合格を勝ち取ることができます。
【科目】
・必須科目(会計科目) …簿記論、財務諸表論
・選択必修科目(税法科目)…法人税法、所得税法
・選択科目(税法科目) …相続税法、消費税法/酒税法(いずれか1科目)、国税徴収法、
住民税/事業税(いずれか1科目)、固定資産税
【受験時期】
例年、7月下旬~8月上旬の平日3日間で試験が実施されます。
【年齢層】
税理士受験生の年齢層は会計士受験生と比較して年々高くなっている傾向にあり、最も多い年代は「41歳以上」で34%を占めています。2005年と2023年の受験者年齢別推移を見てみると、18年間で30歳以下の層は約56%も減少しております。25歳以下の税理士合格者はわずか53名(令和5年)で、若年層の税理士は希少であり、市場においては高需要が続いています。
出典: 国税庁 年度別税理士試験結果表(学歴別・年齢別)
https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishishiken/zeirishi.htm
【受験資格】
令和5年度 第73回税理士試験から、会計科目(簿記論・財務諸表論)については受験資格の制限がなくなり、どなたでも受験が可能となりました。
税法科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)については、学識、資格、職歴など様々な分野の受験資格を定めており、いずれかの要件を満たせば受験資格を有することになります。
会計士受験の知識は税理士受験に活かせる
税理士試験の必須科目である会計科目の「簿記論」と「財務諸表論」は、公認会計士試験において学習している財務会計論(計算/理論)の知識により十分に合格を狙うことができます。
次の項目にて、簿記論、財務諸表論それぞれの出題分野を具体的に見ていきましょう。
① 簿記論・財務諸表論の出題分野を知る
税理士試験の簿記論と財務諸表論は、公認会計士短答式試験(財務会計論)と大きな相違はありません。
簿記論および財務諸表論の計算問題では、公認会計士試験短答式試験における財務会計論の出題項目と同じ内容が出題されています。
また、財務諸表の理論問題についても出題形式は異なりますが、出題項目は公認会計士短答式試験と大きな違いはありません。
【簿記論】
すべて計算問題になります。
三問形式の出題となり、第一問・第二問(学者試験委員による出題)は、簿記の一巡の手続の流れや個々の論点に関する理解度が問われる個別問題が出題されます。第三問(実務家試験委員による出題)は、実務的な色彩が強い総合問題が出題されます。
【財務諸表論】
理論(50点)と計算(50点)に分けて出題されます。
理論は、会計に関する考え方について論述形式を中心とした問題が、穴埋め問題・記号選択問題・論述形式などで出題されます。
計算問題は、決算整理型の総合問題となり、会社法などの法律に従って実際に財務諸表を作成することを主題とする出題がされます。
理論については、出題形式の面では会計士試験と若干相違する部分がありますが、出題論点はほぼ同じですので、会計士の学習された内容で十分に対応ができます。
一方、計算については、「会社法」や「会社計算規則」に準拠した表示上のルールに関する知識を新たに身に着ける必要があります。
就職先や転職先の比較
<会計士の就転職>
公認会計士試験合格者の約9割が最初に選ぶ、最も一般的な就職先として監査法人があげられます。監査業務は公認会計士のみが行える独占業務であるため、まずは監査法人に就職し監査の経験を積む人が多いです。
将来的に独立したいと考える場合は、税理士事務所や会計事務所へ就職という道もあります。税務相談や税金計算、確定申告業務や税務/経営コンサルタント等が主な業務内容で、監査法人よりも実践的な形で税務の知識を取得することができます。
一般事業会社(上場企業や大会社)での経理・財務部門に就職することも、安定したキャリアパスの一つです。公認会計士としての専門知識を活かし、企業の経営をサポートする重要な役割を担います。
また、コンサルティングファームでは、企業の戦略やM&A、人事など企業の抱える悩みに対してアドバイザリー業務に携わることができます。
最近ではデューデリジェンス、財務分析などの財務の知識を活かして投資銀行や証券会社に就職する人も増えてきています。M&AやIPOの支援を行っており、経理・財務業務の経験を活かす形で活躍する場面があります。
<税理士の就転職>
税理士の最初の就職先として、税理士法人はメジャーな就職先です。規模によって分類するとBIG4税理士法人、大手税理士法人、準大手税理士法人、中小税理士法人の4つに分けられます。
仕事の内容や報酬、目指すキャリアによって就職先を選択し、経験を積んでいくのが一般的です。
今日、若年層の受験者数の減少が著しいことから、BIG4税理士法人や大手税理士法人でも1科目合格者や未経験の新卒を積極的に採用しています。売手市場の今、好待遇で会計税務のコンサルタントとして活躍できるチャンスが溢れています。
専門性を磨きたい分野が決まっている場合は、公認会計士と同様にコンサルティングファームという選択肢があります。事業承継・国際税務・IPO・M&Aなど、さまざまな分野の中から自分が得意あるいは経験がある専門を選び、それが得意なコンサルティングファームに転職する傾向にあります。
そのほか、事業会社や金融機関での転職も選択肢としてはありますが、それに付随する経験があるかどうかが大きなポイントとなります。
公認会計士と税理士の年収比較
公認会計士と税理士で、年収はどれほど違うのでしょうか。
それぞれスタッフ、マネージャー、パートナーの階層別に比較してみましょう(いずれも大手法人基準)。
<会計士>
<税理士>
それぞれの階層別に年収を比べてみても、収入に大差はない事が分かります。
特に管理職になっていくと、法人内での役職や担当する部署の成果等によって年収が決まっていく傾向にあるので、会計士と税理士で明確に違いは内容に見受けられます。
また、将来的に独立開業した場合は本人の営業能力、営業努力次第ですので、資格の違いはありません。
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