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税理士の転職先・転職市場動向
税理士は日本全国で約75,000人います。しかし、その平均年齢は60歳を過ぎており「税務実務の現場」では、若手職員が危機的に不足しています。税理士受験者数は減少を続け2019年には29,779名となり、3万人を割り込みました。税理士業界は採用難時代となり「入社条件」は緩和される一方なのです。今日、大手税理士法人でも1科目合格者や未経験の新卒を積極的に採用しています。類を見ない売手市場の今、好待遇で会計税務のコンサルタントとして活躍できるチャンスが溢れています。本コラムでは「税理士業界でキャリアを築くヒント」を不定期に掲載していきます。
BIG4税理士法人からの転職!次のキャリアを確実に掴むための秘訣

BIG4税理士法人では、グローバルネットワークを背景とした高度な税務経験を積める、年収が高水準であるなど、さまざまな魅力があり、入社を目指す方は多くいらっしゃいます。その後、将来目指すキャリアの方向性によっては、BIG4に入社した後に転職を選択する方も少なくはありません。本記事では、BIG4税理士法人から転職する際の選択肢について紹介していきます。
BIG4税理士法人からの転職先については、今後やってみたいことやキャリアの方向性を考えることで明確になります。ここでは、転職先の具体的な選択肢とその特徴を見てみましょう。
BIG4などの大手税理士法人は業務領域ごとに部門を設けて専門性の高い業務を担うのに対し、中小税理士法人は税務顧問業務や相続関連業務、経営コンサルティングまで、担当顧客の抱える課題に対し幅広くサービスを提供する傾向にあります。
経営者と直接対話する機会も多くあり、業務を通して会社の成長に寄与しているという感覚が味わえるのも中小税理士法人の魅力の一つです。
また、大手税理士法人とは異なり、特化した分野を持っている税理士法人も多いため、相続関連業務やSPC(Special Purpose Company)関連業務など、特定の分野を極めたいと考えている人にとってはよりスキルが深まる環境と言えるでしょう。
税理士は会計、税務の専門的な知識を持っているため、コンサルティングファームに転職すれば経営コンサルティングや税務相談などを通して、企業に付加価値を提供することができます。
加えて、経営のほか様々な分野の幅広い知識を習得することで、さらなる付加価値のある提案や企業のサステナブル経営を支援することができ、自身のキャリアアップにつなげることができるでしょう。
以下、種類別に見てみましょう。
<BIG4系アドバイザリー会社>
税理士が多く活躍しているコンサルティングファームの一つとして、BIG4のFAS(Financial Advisory Service)を紹介します。具体的には、EYストラテジー・アンド・コンサルティング、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー、PwCアドバイザリー、KPMG FASなどを指します。
BIG4系アドバイザリー会社では、会計、財務、IT、経営戦略など様々な事業領域でサポートサービスを提供しています。具体的には以下の通りです。このような業務に携わりながら、税理士としての専門性だけでなく、高度な専門知識とスキルを幅広く習得できます。また、グローバルネットワークも充実していることから、海外のメンバーファームとも連携し、グローバル規模でのサービス提供も可能となります。世界各国にも関連するメンバーファームがありますので、現地とのやりとりを通じて効果的・効率的に業務を提供することができる点は強みと言えます。
・BIG4アドバイザリー業務の主な領域
M&Aアドバイザリー:
企業買収・売却、合併、事業再編などの取引における戦略立案から実行までをサポート。
財務アドバイザリー:
企業価値評価、デューデリジェンス、財務モデリングなど、財務関連の専門的なアドバイスを提供。
リスクマネジメント:
内部統制、コンプライアンス、サイバーセキュリティなどのリスク管理体制の構築を支援。
ITアドバイザリー:
ERP導入、システム構築、ITガバナンスなどのIT関連の課題解決をサポート。
戦略アドバイザリー:
経営戦略の策定、事業計画の立案、成長戦略の実行支援などを行う。
企業再生・事業再生:
経営不振に陥った企業の再生計画策定や実行支援を行う。
フォレンジック:
不正会計や不正行為の調査、防止策の策定を行う。
<シンクタンク系コンサルティングファーム>
主要シンクタンクの多くは経済調査、リサーチ、ITコンサル、マネジメントコンサルという4部門を持っており、民間企業や官公庁を対象としたコンサル分野に力を入れているところもあります。近年ではグローバルプロジェクトも多く、実態としてシンクタンクだからという垣根はなく、マネジメントコンサルティングという純粋な経営コンサルティングを手掛けています。
企業例:野村総合研究所(NRI)、三菱総合研究所(MRI)、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、NTTデータ経営研究所、日本総合研究所、富士通総研、大和総研 など
<企業再生系コンサルティングファーム>
企業再生系のコンサルティングファームでは、2種類の再生コンサルティング業務を実施しています。コンサルタント自らが企業や経営に入り込む常駐型の「ハンズオン」と、経営をモニタリングしながら客観的に経営アドバイスを行う「ハンズオフ」です。
どちらも財務や会計領域に強い人材が好まれており、地頭の良さやコミュニケーション能力が重視される傾向にあります。
企業例:アリックスパートナーズ、経営共創基盤、フロンティア・マネジメント、ロングブラックパートナーズ、山田コンサルティンググループ など
<戦略系コンサルティングファーム>
戦略系のコンサルティングファームでは、新規事業や企業戦略、マーケティング戦略の立案といった、CEOなどが抱える経営面においての課題解決支援が主な業務となります。
この領域では「グローバルリストラクチャリング」や「クロスボーダーM&A」などの経験を持つ人材が注目されつつあり、そのため各企業は英語力のある税理士・公認会計士を求める傾向が強いと言えます。
企業例:マッキンゼー・アンド・カンパニー/ボストン コンサルティング グループ/ベイン・アンド・カンパニー/A.T. カーニー など
企業にとって経理部門とは、経営に直結する非常に重要なポストです。会計や税務に関する専門的な知識と技術を持つ税理士法人経験者であれば、提携する税理士法人と主体的に連携する側で働くことができ、即戦力として期待される可能性が高いです。また、日系企業の海外進出が盛んになる中、国際税務の専門家は企業のニーズに対して足りていない状況です。BIG4での経験をそのまま業務に活かすことができるため、非常に重宝されます。
経理職は、経理業務のシステム化により従来と比べて業務負担が減っており、加えてその業務がルーティーン的に発生するため繁忙時期が想定しやすいので、ワークライフバランスを取りやすくなるでしょう。企業の経理部門では多様な業務を経験するチャンスがあるため、そこで実績を上げれば、課長、部長などの役職へ昇進や、CTO(チーフタックスオフィサー)やCFO(チーフファイナンシャルオフィサー)など、会社の経営に直接関わるポストに就ける可能性もあります。
独立開業をすれば、自らの経営方針で力を入れる業務を設計し、自分のペースで進めることができます。
Big4税理士法人は専門性が高く狭き門であることから、勤務経験があるとクライアントに対して「優秀な人材」といった印象を与えられます。そのため、”Big4税理士法人出身”といった肩書きのもとで独立開業することで、クライアントからの信頼を得やすくなるでしょう。
また、Big4在籍中に周りの優秀な人材との人脈を築いておけば、独立開業して市場開拓を行ううえで大いに役立ちます。職員同士で開業する事例も多くあります。
まずは、将来どんな方向で活躍していきたいか、どんな税理士を目指していきたいかを事前に整理しておくことをおすすめします。BIG4は大企業相手の税務サービスを取り扱っており、チーム制をとっています。また業務領域ごとに部門が分かれているため、高度な税務知識を身に着けることができ、その領域のプロフェッショナルを目指すことができます。そのうえで、自分がBIG4を離れてどんなことをやっていきたいか分析することが必要です。
自分が進みたいと思う転職先が得意とする領域において、どの程度の実務経験が求められるか、応募先の得意分野と自身の経験を照らしあわせておくことも大切です。
また条件面として、BIG4は給与が高水準なので、転職先によっては給与が下がることも考慮したうえで決断をすると良いでしょう。
<国際税務の知識>
国際税務は、グローバル化の進展に伴い、その重要性や将来性はさらに高まる見込みです。多国籍企業や国境を越えて事業を展開する企業が増加している現在、企業は複雑な国際税務の問題に直面しやすくなります。企業の海外進出の勢いは著しく、非上場の企業を含めると10,000社を超えており、企業のニーズに対し専門家が足りていない状況です。
国際税務の希少価値は非常に高く、その需要は今後も増加すると予測されます。そのため、この分野でのキャリアは非常に有望であり、将来性のある分野と言えるでしょう。
また、国際税務の経験を積むことで、海外進出やM&Aなどのビジネスチャンスに対応できるだけでなく、国際的な視野やコミュニケーション能力も身につけることができます。
<英語力>
国際税務の知識の需要が高まることに比例して、英語力も求められています。海外支社やクライアントとのコミュニケーションにおいて英語力は必要不可欠です。スピーキングはもちろん、リーディング力があるだけでも、最先端の情報にアンテナが張れ、他の人よりも沢山の情報にアクセスすることができるでしょう。ライティング力があれば、メールのやり取りや書類の作成をスムーズにこなすことができます。
また、転職や出世に有利になることに加え、ビジネスチャンスや活躍の場を広げることにもつながります。
今後も海外進出する企業が増えることは容易に想像できるため、英語力を身につけておけば、それだけ活躍のチャンスも広がるでしょう。
<税務コンサルティングの知識>
税務に関する知識が活かせる業務はたくさんありますが、その中でも税務コンサルタントは、顧客のパートナーとしての立ち位置を更に強化できる魅力的な業務です。
近年ではAIによる業務の簡素化が急激に進む中、「税理士の仕事が奪われるのでは」と言われることもあり、だからこそ、今後は「人」ならではの能力への需要が高まっていきます。税務コンサルタントは、経営者の経営課題に対し、論理的思考やヒアリング能力、コミュニケーション能力をもって経営者に寄り添った提案をします。税務コンサルタント業務を習得すれば、多面的な視点と問題解決能力が養われ、税務の枠を超えた新たな付加価値を生み出すことができるようになり、活躍の場を大いに広げられるでしょう。
このように税理士としての市場価値を上げる方法はさまざまありますが、どれもBIG4税理士法人で得られるスキルだということが分かります。BIG4税理士法人にてスキルアップし、ご自身に合ったキャリアを図りましょう。
就職・転職活動において大切なのは、応募書類(履歴書/職務経歴書)の作成と面接対策です。最近、「書類作成と面接対策のやり方が分かりません」という声を多く耳にします。世の中に氾濫する「就活」についての情報が多すぎて、いわゆる「就活迷子」になってしまう方が多くいます。会計税務出身者の方が自身のどこをアピールすべきか、企業がどのような点を評価しているのか、しっかり認識して臨むと非常に効率的です。
TACプロフェッションバンクでは、弊社からご応募いただく方に対して志望動機や自己PRなど、各応募先に合わせた内容の作成をサポートしております。また、法人ごとの面接傾向も事前にお伝えし、本番を想定した面接練習を実施させていただきます。過去に応募した候補者の方からヒアリングしておりますので、より再現性の高い練習が可能です。
①Aさんの場合:独立するため
BIG4税理士法人では、正確性は当然のことながら、より効率とスピードが求められる環境でした。そのため、ミスの防止策や業務を効率的に進める仕組みがあり、それらを通して学び、身につけたことは独立後も大いに役立ちました。また、社内には優秀で、かつ多様なバックグラウンドの方がいましたので、様々な能力や知識、考え方を持っている方と共に仕事をする機会がありました。そういった方から学べる環境は貴重であり、独立してからクライアントの方とコミュニケーションを図るうえでも役立っております。
独立後に感じたやりがいは、税務のことだけではなく経営や事業承継、個人の資産に関することなど総合的にご相談にお応えできることです。
また、クライアント企業の管理会計など、直接は税務の問題ではなくても、本当にその企業が困っていることをご相談いただくと、ただの税務顧問としてではなく、クライアントと一緒に抱えている課題を解決していく良きパートナーという立場になりますので、そこにやりがいを感じています。
②Bさんの場合:クライアントのサイズダウン
BIG4は大企業のクライアントが多く、専門性が高い分チーム制かつ細分化した業務区分となっており、クライアントとの距離感が遠いと感じていました。また、中小企業に対する税務サービスにも興味があり、より近い距離感でクライアントの良き相談相手としてサポートしたいと考え、中小規模の税理士法人に転職しました。
中小税理士法人に転職すると、クライアント規模は大企業から小規模企業、個人まで幅広く担当するようになりました。業務としては、法人税務や個人の相続関連業務にも携わることができ、税務を超えたクライアントの経営相談に幅広く乗ることできるようになりました。企業の成長をともに見ることができる点もとても魅力的です。
③Cさんの場合:ワークライフバランス
BIG4税理士法人は高度な税務業務に携わることができ、給与も高水準である反面、残業時間が多く多忙である傾向にあります。そんな環境に疲れてしまい、ワークライフバランスを重視する中小税理士法人に転職しました。
クライアントの規模は中小法人がメインで担当数についてのゆとりがあるため、残業時間は通常期で10時間程度、繁忙期でも30時間程度で、ワークライフバランスを重視した働き方を実現することができました。また、ライフイベントに合わせて柔軟に勤務時間を調整することが可能です。
④Dさんの場合:事業再生系コンサル会社へ
新卒でBIG4税理士法人に入社し、国際税務部門で4年間、M&Aアドバイザリー部門で3年間を過ごしました。業務内容や待遇に不満はなく、充実した毎日を過ごしていたのですが「事業再生コンサルティング」で活躍している税理士の話を聞く機会があり、私も事業再生分野のスペシャリストになりたいと思うようになりました。
事業再生は、企業の経営者のみならず、そこで働く従業員や取引先の人生にも関わる社会的影響力の強い仕事です。会計税務のスペシャリストとして「人を助けることができる仕事」だと実感しています。労働時間は増えて年収は下がりましたが、転職したことは全く後悔していません。
いかがでしょうか。税理士法人にはそれぞれ特徴・得意とする分野があります。
応募先の強みを見極めた上で、自分のこれまでのキャリア・強みを活かせるかどうかを検討してみてください。
(1)BIG4税理士法人で得た経験を次のキャリアに活かす方法
BIG4税理士法人からの転職先については、今後やってみたいことやキャリアの方向性を考えることで明確になります。ここでは、転職先の具体的な選択肢とその特徴を見てみましょう。
【中小規模の税理士法人】
BIG4などの大手税理士法人は業務領域ごとに部門を設けて専門性の高い業務を担うのに対し、中小税理士法人は税務顧問業務や相続関連業務、経営コンサルティングまで、担当顧客の抱える課題に対し幅広くサービスを提供する傾向にあります。
経営者と直接対話する機会も多くあり、業務を通して会社の成長に寄与しているという感覚が味わえるのも中小税理士法人の魅力の一つです。
また、大手税理士法人とは異なり、特化した分野を持っている税理士法人も多いため、相続関連業務やSPC(Special Purpose Company)関連業務など、特定の分野を極めたいと考えている人にとってはよりスキルが深まる環境と言えるでしょう。
【コンサルティングファーム】
税理士は会計、税務の専門的な知識を持っているため、コンサルティングファームに転職すれば経営コンサルティングや税務相談などを通して、企業に付加価値を提供することができます。
加えて、経営のほか様々な分野の幅広い知識を習得することで、さらなる付加価値のある提案や企業のサステナブル経営を支援することができ、自身のキャリアアップにつなげることができるでしょう。
以下、種類別に見てみましょう。
<BIG4系アドバイザリー会社>
税理士が多く活躍しているコンサルティングファームの一つとして、BIG4のFAS(Financial Advisory Service)を紹介します。具体的には、EYストラテジー・アンド・コンサルティング、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー、PwCアドバイザリー、KPMG FASなどを指します。
BIG4系アドバイザリー会社では、会計、財務、IT、経営戦略など様々な事業領域でサポートサービスを提供しています。具体的には以下の通りです。このような業務に携わりながら、税理士としての専門性だけでなく、高度な専門知識とスキルを幅広く習得できます。また、グローバルネットワークも充実していることから、海外のメンバーファームとも連携し、グローバル規模でのサービス提供も可能となります。世界各国にも関連するメンバーファームがありますので、現地とのやりとりを通じて効果的・効率的に業務を提供することができる点は強みと言えます。
・BIG4アドバイザリー業務の主な領域
M&Aアドバイザリー:
企業買収・売却、合併、事業再編などの取引における戦略立案から実行までをサポート。
財務アドバイザリー:
企業価値評価、デューデリジェンス、財務モデリングなど、財務関連の専門的なアドバイスを提供。
リスクマネジメント:
内部統制、コンプライアンス、サイバーセキュリティなどのリスク管理体制の構築を支援。
ITアドバイザリー:
ERP導入、システム構築、ITガバナンスなどのIT関連の課題解決をサポート。
戦略アドバイザリー:
経営戦略の策定、事業計画の立案、成長戦略の実行支援などを行う。
企業再生・事業再生:
経営不振に陥った企業の再生計画策定や実行支援を行う。
フォレンジック:
不正会計や不正行為の調査、防止策の策定を行う。
<シンクタンク系コンサルティングファーム>
主要シンクタンクの多くは経済調査、リサーチ、ITコンサル、マネジメントコンサルという4部門を持っており、民間企業や官公庁を対象としたコンサル分野に力を入れているところもあります。近年ではグローバルプロジェクトも多く、実態としてシンクタンクだからという垣根はなく、マネジメントコンサルティングという純粋な経営コンサルティングを手掛けています。
企業例:野村総合研究所(NRI)、三菱総合研究所(MRI)、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、NTTデータ経営研究所、日本総合研究所、富士通総研、大和総研 など
<企業再生系コンサルティングファーム>
企業再生系のコンサルティングファームでは、2種類の再生コンサルティング業務を実施しています。コンサルタント自らが企業や経営に入り込む常駐型の「ハンズオン」と、経営をモニタリングしながら客観的に経営アドバイスを行う「ハンズオフ」です。
どちらも財務や会計領域に強い人材が好まれており、地頭の良さやコミュニケーション能力が重視される傾向にあります。
企業例:アリックスパートナーズ、経営共創基盤、フロンティア・マネジメント、ロングブラックパートナーズ、山田コンサルティンググループ など
<戦略系コンサルティングファーム>
戦略系のコンサルティングファームでは、新規事業や企業戦略、マーケティング戦略の立案といった、CEOなどが抱える経営面においての課題解決支援が主な業務となります。
この領域では「グローバルリストラクチャリング」や「クロスボーダーM&A」などの経験を持つ人材が注目されつつあり、そのため各企業は英語力のある税理士・公認会計士を求める傾向が強いと言えます。
企業例:マッキンゼー・アンド・カンパニー/ボストン コンサルティング グループ/ベイン・アンド・カンパニー/A.T. カーニー など
【事業会社の経理部・財務部】
企業にとって経理部門とは、経営に直結する非常に重要なポストです。会計や税務に関する専門的な知識と技術を持つ税理士法人経験者であれば、提携する税理士法人と主体的に連携する側で働くことができ、即戦力として期待される可能性が高いです。また、日系企業の海外進出が盛んになる中、国際税務の専門家は企業のニーズに対して足りていない状況です。BIG4での経験をそのまま業務に活かすことができるため、非常に重宝されます。
経理職は、経理業務のシステム化により従来と比べて業務負担が減っており、加えてその業務がルーティーン的に発生するため繁忙時期が想定しやすいので、ワークライフバランスを取りやすくなるでしょう。企業の経理部門では多様な業務を経験するチャンスがあるため、そこで実績を上げれば、課長、部長などの役職へ昇進や、CTO(チーフタックスオフィサー)やCFO(チーフファイナンシャルオフィサー)など、会社の経営に直接関わるポストに就ける可能性もあります。
【独立開業】
独立開業をすれば、自らの経営方針で力を入れる業務を設計し、自分のペースで進めることができます。
Big4税理士法人は専門性が高く狭き門であることから、勤務経験があるとクライアントに対して「優秀な人材」といった印象を与えられます。そのため、”Big4税理士法人出身”といった肩書きのもとで独立開業することで、クライアントからの信頼を得やすくなるでしょう。
また、Big4在籍中に周りの優秀な人材との人脈を築いておけば、独立開業して市場開拓を行ううえで大いに役立ちます。職員同士で開業する事例も多くあります。
(2)転職を決断する前に考えるべき重要なポイント
まずは、将来どんな方向で活躍していきたいか、どんな税理士を目指していきたいかを事前に整理しておくことをおすすめします。BIG4は大企業相手の税務サービスを取り扱っており、チーム制をとっています。また業務領域ごとに部門が分かれているため、高度な税務知識を身に着けることができ、その領域のプロフェッショナルを目指すことができます。そのうえで、自分がBIG4を離れてどんなことをやっていきたいか分析することが必要です。
自分が進みたいと思う転職先が得意とする領域において、どの程度の実務経験が求められるか、応募先の得意分野と自身の経験を照らしあわせておくことも大切です。
また条件面として、BIG4は給与が高水準なので、転職先によっては給与が下がることも考慮したうえで決断をすると良いでしょう。
(3)税理士としての市場価値を高めるスキルアップ法
<国際税務の知識>
国際税務は、グローバル化の進展に伴い、その重要性や将来性はさらに高まる見込みです。多国籍企業や国境を越えて事業を展開する企業が増加している現在、企業は複雑な国際税務の問題に直面しやすくなります。企業の海外進出の勢いは著しく、非上場の企業を含めると10,000社を超えており、企業のニーズに対し専門家が足りていない状況です。
国際税務の希少価値は非常に高く、その需要は今後も増加すると予測されます。そのため、この分野でのキャリアは非常に有望であり、将来性のある分野と言えるでしょう。
また、国際税務の経験を積むことで、海外進出やM&Aなどのビジネスチャンスに対応できるだけでなく、国際的な視野やコミュニケーション能力も身につけることができます。
<英語力>
国際税務の知識の需要が高まることに比例して、英語力も求められています。海外支社やクライアントとのコミュニケーションにおいて英語力は必要不可欠です。スピーキングはもちろん、リーディング力があるだけでも、最先端の情報にアンテナが張れ、他の人よりも沢山の情報にアクセスすることができるでしょう。ライティング力があれば、メールのやり取りや書類の作成をスムーズにこなすことができます。
また、転職や出世に有利になることに加え、ビジネスチャンスや活躍の場を広げることにもつながります。
今後も海外進出する企業が増えることは容易に想像できるため、英語力を身につけておけば、それだけ活躍のチャンスも広がるでしょう。
<税務コンサルティングの知識>
税務に関する知識が活かせる業務はたくさんありますが、その中でも税務コンサルタントは、顧客のパートナーとしての立ち位置を更に強化できる魅力的な業務です。
近年ではAIによる業務の簡素化が急激に進む中、「税理士の仕事が奪われるのでは」と言われることもあり、だからこそ、今後は「人」ならではの能力への需要が高まっていきます。税務コンサルタントは、経営者の経営課題に対し、論理的思考やヒアリング能力、コミュニケーション能力をもって経営者に寄り添った提案をします。税務コンサルタント業務を習得すれば、多面的な視点と問題解決能力が養われ、税務の枠を超えた新たな付加価値を生み出すことができるようになり、活躍の場を大いに広げられるでしょう。
このように税理士としての市場価値を上げる方法はさまざまありますが、どれもBIG4税理士法人で得られるスキルだということが分かります。BIG4税理士法人にてスキルアップし、ご自身に合ったキャリアを図りましょう。
(4)転職活動を成功させるための準備:書類作成と面接対策
就職・転職活動において大切なのは、応募書類(履歴書/職務経歴書)の作成と面接対策です。最近、「書類作成と面接対策のやり方が分かりません」という声を多く耳にします。世の中に氾濫する「就活」についての情報が多すぎて、いわゆる「就活迷子」になってしまう方が多くいます。会計税務出身者の方が自身のどこをアピールすべきか、企業がどのような点を評価しているのか、しっかり認識して臨むと非常に効率的です。
TACプロフェッションバンクでは、弊社からご応募いただく方に対して志望動機や自己PRなど、各応募先に合わせた内容の作成をサポートしております。また、法人ごとの面接傾向も事前にお伝えし、本番を想定した面接練習を実施させていただきます。過去に応募した候補者の方からヒアリングしておりますので、より再現性の高い練習が可能です。
(5)実際にBIG4から転職に成功した税理士の体験談
①Aさんの場合:独立するため
BIG4税理士法人では、正確性は当然のことながら、より効率とスピードが求められる環境でした。そのため、ミスの防止策や業務を効率的に進める仕組みがあり、それらを通して学び、身につけたことは独立後も大いに役立ちました。また、社内には優秀で、かつ多様なバックグラウンドの方がいましたので、様々な能力や知識、考え方を持っている方と共に仕事をする機会がありました。そういった方から学べる環境は貴重であり、独立してからクライアントの方とコミュニケーションを図るうえでも役立っております。
独立後に感じたやりがいは、税務のことだけではなく経営や事業承継、個人の資産に関することなど総合的にご相談にお応えできることです。
また、クライアント企業の管理会計など、直接は税務の問題ではなくても、本当にその企業が困っていることをご相談いただくと、ただの税務顧問としてではなく、クライアントと一緒に抱えている課題を解決していく良きパートナーという立場になりますので、そこにやりがいを感じています。
②Bさんの場合:クライアントのサイズダウン
BIG4は大企業のクライアントが多く、専門性が高い分チーム制かつ細分化した業務区分となっており、クライアントとの距離感が遠いと感じていました。また、中小企業に対する税務サービスにも興味があり、より近い距離感でクライアントの良き相談相手としてサポートしたいと考え、中小規模の税理士法人に転職しました。
中小税理士法人に転職すると、クライアント規模は大企業から小規模企業、個人まで幅広く担当するようになりました。業務としては、法人税務や個人の相続関連業務にも携わることができ、税務を超えたクライアントの経営相談に幅広く乗ることできるようになりました。企業の成長をともに見ることができる点もとても魅力的です。
③Cさんの場合:ワークライフバランス
BIG4税理士法人は高度な税務業務に携わることができ、給与も高水準である反面、残業時間が多く多忙である傾向にあります。そんな環境に疲れてしまい、ワークライフバランスを重視する中小税理士法人に転職しました。
クライアントの規模は中小法人がメインで担当数についてのゆとりがあるため、残業時間は通常期で10時間程度、繁忙期でも30時間程度で、ワークライフバランスを重視した働き方を実現することができました。また、ライフイベントに合わせて柔軟に勤務時間を調整することが可能です。
④Dさんの場合:事業再生系コンサル会社へ
新卒でBIG4税理士法人に入社し、国際税務部門で4年間、M&Aアドバイザリー部門で3年間を過ごしました。業務内容や待遇に不満はなく、充実した毎日を過ごしていたのですが「事業再生コンサルティング」で活躍している税理士の話を聞く機会があり、私も事業再生分野のスペシャリストになりたいと思うようになりました。
事業再生は、企業の経営者のみならず、そこで働く従業員や取引先の人生にも関わる社会的影響力の強い仕事です。会計税務のスペシャリストとして「人を助けることができる仕事」だと実感しています。労働時間は増えて年収は下がりましたが、転職したことは全く後悔していません。
いかがでしょうか。税理士法人にはそれぞれ特徴・得意とする分野があります。
応募先の強みを見極めた上で、自分のこれまでのキャリア・強みを活かせるかどうかを検討してみてください。
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