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税理士の転職先・転職市場動向
税理士は日本全国で約75,000人います。しかし、その平均年齢は60歳を過ぎており「税務実務の現場」では、若手職員が危機的に不足しています。税理士受験者数は減少を続け2019年には29,779名となり、3万人を割り込みました。税理士業界は採用難時代となり「入社条件」は緩和される一方なのです。今日、大手税理士法人でも1科目合格者や未経験の新卒を積極的に採用しています。類を見ない売手市場の今、好待遇で会計税務のコンサルタントとして活躍できるチャンスが溢れています。本コラムでは「税理士業界でキャリアを築くヒント」を不定期に掲載していきます。
仕事と税理士試験・大学院は本当に両立できる?税理士法人39法人の最新データから読み解く「両立環境」の実態と見極め方

仕事と税理士試験・大学院は本当に両立できる?
税理士法人39法人の最新データから読み解く「両立環境」の実態と見極め方
〜長期休暇・大学院学費支援・柔軟な勤務体系のリアルをTACプロフェッションバンクのマーケティング担当者に聞く〜
【はじめに】
税理士資格の取得には数千時間の学習が必要とされ、就職・転職先で「勉強時間を確保できるか」は最大の関心事です。今回は『会計人のための就職ガイド2026summer東日本版』に掲載された税理士法人39法人の最新データをもとに、業界動向に詳しいTACプロフェッションバンク マーケティング部 部長の中西良太氏にインタビューを行い、制度の実態や後悔しない環境選びの着眼点を聞きました。
※本記事に掲載している各法人の制度は就職ガイド掲載時点の公開情報です。利用条件や最新情報は必ず各法人へご確認ください。(記事内の法人名は敬称略)
☰【目次】
1. 39法人を俯瞰して見えた「両立支援」4つの最新トレンド
2. 志向別・自分に合った環境を見極める3つのヒント
3. 応募前に確認したい「利用実態と条件」
1. 39法人を俯瞰して見えた「両立支援」4つの最新トレンド
編集部:『会計人のための就職ガイド』に掲載されている39法人の両立制度を見ると、ひと昔前の『仕事優先で勉強は睡眠時間を削る』というイメージから大きく様変わりしている印象を受けますね。
中西:そうですね。人材確保や働き方改革の進展に伴い、各法人とも受験生を惹きつける制度設計を競い合っています。データを俯瞰すると、大きく4つの特徴的なトレンドが見えてきます。
① 直前期の集中を可能にする「大型試験休暇」
「39法人中32法人以上が試験休暇を明文化しています。特に注目すべきは、有給や特別休暇を組み合わせて直前期に2週間から最大1ヶ月程度の休暇取得実績がある法人(GYC税理士法人、江口会計事務所、銀座KTC税理士法人、税理士法人山田&パートナーズ、税理士法人FP総合研究所など)の存在です。本試験直前の総仕上げ期間をしっかり確保できる環境が広がっています。」
② 「柔軟な勤務体系」と出勤・労働時間の軽減
「コアタイムなしのフルフレックス(AGS税理士法人、EY税理士法人など)やテレワークの普及はもちろん、試験前の数ヶ月間に出勤日数を60〜80%に削減・実働7時間化できる制度(税理士法人FP総合研究所)や、入社後一定期間『週休3日勤務』を選択できる制度(税理士法人山田&パートナーズ)など、学習時間を優先できる先進的な試みも見られます。」
③ 大学院進学(税法・会計科目免除)への支援強化
「官報合格だけでなく大学院ルートによる免除を目指す方が増える中、学費の全額負担制度(ランドマーク税理士法人)や、貸与後に一定条件で返還免除となる制度(税理士法人TOTAL)など、費用面・時間面双方で大学院通学をバックアップする法人が出てきています。」
④ 専門学校の学費助成・合格報奨手当の充実
「資格専門学校の受講料を年最大24万円・累計最大120万円まで補助する法人(税理士法人TOTAL)や、1科目あたり年最大20万円補助(江口会計事務所)など費用支援も手厚いです。また、1科目合格ごとに月5,000円〜1万円の手当を支給する法人もあります。」
2. 志向別・自分に合った環境を見極める3つのヒント
編集部:受験生一人ひとり置かれている状況は違いますよね。どのように自分に合った職場を選べばよいでしょうか?
中西:どこが良い・悪いという話ではなく、ご自身の『合格までのロードマップ』と職場の制度が合致しているかが鍵になります。大きく3つの着眼点があります。
【ヒントA】「直前期に集中して一気に科目合格を掴みたい」場合
直前の2週間〜1ヶ月にまとまった試験休暇が取れる環境や、出勤日数を一時的にセーブできる制度があるかどうかが重要な判断軸になります。試験直前の追い込み期間をどれだけ確保できるかで、合否が大きく左右されるためです。
【ヒントB】「大学院免除ルートで着実に進めたい」場合
大学院の学費全額支援や貸与免除制度を公表しているかどうかに加え、夜間や土日の通学、修士論文執筆と実務を両立できるよう、始業・終業時間を柔軟に調整できるフレックスや時差通勤が整備されているかが大切です。
【ヒントC】「毎日の学習リズムを崩さずコツコツ継続したい」場合
普段の残業時間(月10〜20時間以内など)や定時退社の推奨方針、通学日の業務調整が効くかどうかに注目しましょう。平日に無理のないペースで自習時間をルーティン化できる環境が強みになります。
3. 応募前に確認したい「利用実態と条件」
編集部:最後に、応募を検討している受験生が後悔しないためのアドバイスをお願いします。
中西:求人票や就職ガイドの制度名だけで判断せず、『適用条件』と『実際の活用実態』を面談等で確認することが何より大切です。
たとえば『勤続年数や職種の制限はないか』『早期退職時の返還規定はあるか』『職場で実際に休暇を取得して合格した先輩がいるか』といった点は法人ごとに運用が異なります。また、忘れてはならないのは「制度の充実度だけで選ばない」ということです。試験合格はあくまでスタートラインであり、大切なのは「その法人でどのような実務経験が積めるか」「法人の強みが自分の目指すキャリア像と合致しているか」です。両立環境はもちろん、実際の業務内容や法人の成長性・風土まで総合的に見極めた上で、自信を持って挑戦できる職場を選んでほしいですね。
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