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荻窪公認会計士事務所
代表 荻窪 輝明さん
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アルバイト三昧の大学生から熱血証券マンへ

私は東京都出身で、高校時代から「できるだけ早く実家を出て、東京を離れて挑戦したい」と強く思っていました。そこで、大学受験の際にはあえて東京の大学を選ばず、京都の立命館大学に絞って受験を決意しました。
正直なところ、出願の時期に少し遅れてしまい、関西圏の大学に進学したいという思いはあったものの、立命館大学しか出願できる大学が残っていなかったのです。結果として、立命館大学の複数の学部を併願し、受験した全ての学部に合格したので、その中から法学部に入学しました。大学生活は、北野天満宮の近くでスタートしました。

しかし、大学生になってからはアルバイトが楽しくなり、学業が二の次に。アルバイト先ではバイトリーダーになり、毎日のように働いていましたが、結局、学業が疎かになり、1年留年してしまいました。これは自分の若さと無責任さが招いた大きな失敗の一つです。

2001年に大学を卒業した時は、就職氷河期の真っ只中でした。50社に1社内定がもらえれば良いとされる時代で、私も面接で不採用を経験しましたが、幸いにも数社目で中堅の証券会社から内定をいただきました。社会人としての第一歩は再び京都で始まり、支店に配属されてリテール営業、つまり外回りを担当しました。
誰よりも早く出勤し、たくさんの電話をかけて、お店や会社を見つけては飛び込み営業を繰り返す毎日でした。営業の経験がない中で、ただひたすらお客様に頭を下げ、全力で応えることに徹しました。その結果、気づけば、多くのお客様に支えられて、同期の中でトップの成績を収めるまでになっていました。

アルバイト三昧の大学生から熱血証券マンへ

退職後、手渡された「公認会計士」のパンフレット

退職後、手渡された「公認会計士」のパンフレット

証券会社は結果がすべての世界です。入社3年目になると、全国の販売ランキングに名前が載る機会が増え、若手でも実績があれば評価されると実感するようになりました。しかし一方で、「この結果は本当にお客様のためになっているのか、自分の利益を優先していないか」と自分の営業スタイルに疑問を感じ始めました。

そんな時、会社が新入社員の育成に力を入れるようになり、私は入社4年目で東京本社へ異動となりました。新入社員の営業と研修を担当し、自分の方針で育てた新人たちを全国の支店に配属し、会社の未来を託す役割を担いました。しかし、支店での実感と、会社の方針のギャップは埋まらず、次第にその違和感が強まりました。
20代後半に差し掛かり、「組織を変えること」の難しさを痛感した私は、最終的に経営者と対立する道を選びました。最後まで抵抗しましたが、結局、私自身が会社を退職することになりました。

その時、私はすでに結婚しており、東京には単身赴任していました。29歳を目前に退職し、大阪にいる妻のもとへ戻ると、妻からTACの公認会計士講座のパンフレットを手渡されました。転職活動をしようと考えていた私は、代わりに自分が働くからと言ってくれた妻に感謝し、彼女の導きに従って新たな道を歩み始めました。そして、2006年1月、簿記すら知らなかった私は、TACの公認会計士講座に申し込み、会計士を目指す受験生となったのです。

公認会計士試験合格後、監査法人トーマツ大阪事務所へ

公認会計士試験合格後、監査法人トーマツ大阪事務所へ

公認会計士試験の勉強は、証券会社での営業に比べれば辛さを感じることはほとんどありませんでした。それよりも、無職で勉強に臨む環境にいましたので、最短で合格して妻に恩返しをしたいという思いが強かったです。この間、妻が私を支えるために働いてくれていたことに感謝していました。
その努力が実り、初めての受験で5月の短答式試験を通過した後、論文式試験も無事に合格しました。合格を果たした瞬間、最初に思い浮かんだのは私を受験期間中ずっと支えてくれた妻のことでした。30歳で有限責任監査法人トーマツに入所し、新たなキャリアをスタートさせました。

トーマツでは、証券会社出身という背景から株式上場部に配属され、上場企業の監査とIPO支援の両方を担当しました。トーマツでのキャリアはとても貴重な経験となり、業務全体のクオリティの高さと洗練さを感じながら仕事に取り組んでいました。会計監査の概念は、公認会計士試験で学んだよりも遥かに奥が深く、初めの頃は監査調書の作成に苦労しました。

振り返ると、試験に早く合格した分、受験生時代に会計や監査の基本的な知識や考え方の定着がやや不足していたかもしれません。それでも、少しずつ会計監査とIPO支援に慣れていきました。しかし、公認会計士登録を経て会計士としてのキャリアが4年目に差し掛かった頃、「せっかく公認会計士になったのだから、会計監査以外の仕事にも挑戦したい」という思いが強まり、転職を決意しました。

コンサルティング会社と準大手監査法人で武者修行

コンサルティング会社と準大手監査法人で武者修行

公認会計士の魅力の1つは、職業選択の自由度が高い点にあります。トーマツを退職後、私はFAS系のコンサルティング会社に転職し、事業再生や組織再編、事業承継などの案件を中心に取り組みました。M&A後の統合プロセスのコンサルティングや、金融機関子会社の連結パッケージ作成といった幅広い業務を経験しました。

その後、公認会計士としての3つ目の職場として、再び監査法人に戻ることにしました。会計監査以外の業務を経験したことで、今度は公認会計士の独占業務である会計監査の分野で再度自分を磨きたい思いが強まり、2013年から2018年までの6年近く、仰星監査法人で働きました。
仰星監査法人では、IPO支援先の株式上場を見届ける貴重な経験を得ることができました。また、フロントに立ってクライアントの獲得に携わる機会も多く、新規部門の立ち上げを任され、マネージャーとして部署を拡大していきました。その過程で、自分がやはり営業出身の人間であることを強く実感しました。

職場の居心地が良くなると成長が止まる

職場の居心地が良くなると成長が止まる

大学卒業後、私は、証券会社、大手監査法人、コンサルティング会社、準大手監査法人を経て、現在は自分の事務所を経営しながら、Grant Thorntonグループの太陽グラントソントン税理士法人に所属しています。これまで、どの組織でも仕事に全力で取り組んできました。そして、「職場のポストにしがみつかず、自立して働きたい」「ポストを守る人材ではなく、ポストを作る人材になりたい」と考え、前向きに行動してきました。
私は、「職場で居心地が良くなった時、それは成長が止まっているサインだ」と自覚しています。そのため、安住せず、自ら新たな成長の場を求めて動き続けてきました。

現在の職場では、トップの声に応じて「組織のブランディング、業務開発、マーケティングチャネル開拓」に積極的に関わっています。太陽グラントソントン税理士法人は、税務サービスにとどまらず、会計監査やアドバイザリー組織を持つグローバルファームの一つであり、過去の様々な経験を生かして戦略の立案にも貢献したいと考えています。私のような経歴の持ち主を広い心で受け入れてくれた太陽グラントソントン税理士法人には、心から感謝しています。

「滋賀経済NOW」のナビゲーターとして毎週テレビ出演

コンサルティング会社と準大手監査法人で武者修行

コンサルティング会社での仕事を通じて、セミナー講師として「人前で話す仕事」が増えていき、次第に評価されるようになりました。その結果、マスメディア関係者からの声がかかり、放送局を通じて芸能プロダクションへの登録を薦められました。その後、登録したタイミングで縁があり、びわ湖放送から出演のオファーをいただきました。

現在、私は「滋賀経済NOW」のナビゲーターとして7年目を迎えています。この番組は、滋賀県の経済活性化をめざし、県内の経済情報や滋賀県企業を中心とする地域企業のビジネス、社会課題を毎週解説する地域経済情報番組です。私は、公認会計士・税理士としての立場を活かし、視聴者に伝わりやすく情報を届けることを心がけています。多くの事例や経済のキーワードを自分の言葉で伝える仕事に大きな幸せとやりがいを感じています。

私が普段の仕事で意識しているのは、「資格に頼らず、自分の名前で仕事をする」ことです。番組内でも「自分が公認会計士だと自覚していない」と発言したことがあるほど、資格に依存しない仕事の仕方を大切にしています。公認会計士の肩書にこだわらずに広い視野で仕事をすることで、新たなチャレンジが可能になりました。とはいえ、公認会計士の資格が私のビジネスの土台であることには変わりありません。

2023年には、神戸大学大学院経営学研究科専門職学位課程(MBA)で学び、2024年9月に修了し、経営学修士(専門職)となりました。番組出演やセミナーで「語る」、執筆で「伝える」、業務を「提供する」際には、経験に基づく知識だけでなく、実践と理論の両面からの学びが必要だと実感しています。今後も自分に磨きをかけ、実践と理論を行き来できるプロフェッショナルとして成長していきたいと思っています。

プロフィール

トップランナー 公認会計士 vol.27 荻窪 輝明 Teruaki Ogikubo

トップランナー 公認会計士 vol.27
荻窪公認会計士事務所
代表
荻窪 輝明 Teruaki Ogikubo


公認会計士、税理士、日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)、CFP🄬認定者、経営学修士(専門職)。東京都出身。立命館大学法学部卒業。神戸大学大学院経営学研究科専門職学位課程修了。神戸大学非常勤講師(2020~2023)、関西学院大学非常勤講師(2024)。
びわ湖放送のテレビ番組「滋賀経済NOW」に毎週レギュラー出演中。主な著書に『経営陣に伝えるための「税効果会計」と「財務諸表の視点」』(税務研究会出版局)。

「滋賀経済NOW」オフィシャルHP
https://www.bbc-tv.co.jp/hensei/tv_economy/

TACマリッジコンシェルジュ
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