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NASDAQ・NYSE上場を
監査法人として支える若手公認会計士

公認会計士
岡田 圭輔さん
公認会計士 岡田 圭輔さん公認会計士 岡田 圭輔さん

推薦入学で体力が有り余っていた私は何となくTACへ

千葉県流山市出身の私は県内の公立高校へ進学。受験勉強に苦労していた兄の姿を間近で見てきたこともあり、推薦で大学進学が可能な高校を選びました。私服で通える学校に行きたかった、というのも理由の一つです。中高時代はバスケットボール部に所属し自由奔放な学生だったと思います。学校の勉強だけはきちんとこなし、目標通り指定校推薦で慶應義塾大学商学部へ入学することができました。受験を経験しなかったせいか「大学に入ったら遊ぶぞ!」というモチベーションはなく、むしろ「何か新しいことに挑戦したい」というエネルギーが有り余っていたのです。そんな流れで、推薦入学組の友人とTAC日吉校の体験授業へ足を運びました。特に「会計士になりたい」と思っていたわけではありませんが、講師やチューターの方が大変魅力的に見え、商学部の勉強にも活用できると思い、1年生の秋頃から本格的に資格勉強を開始しました。

TAC日吉校では仲間に恵まれ、とにかく毎日が楽しかったことを覚えています。成績が伸び悩んだ時期もありましたが、仲間と切磋琢磨する環境に支えられ、大学3年生で論文式試験に合格できました。合格後はTAC日吉校でチューターとして働き、2016年3月に有限責任監査法人トーマツに入社し、非常勤として実務の世界に足を踏み入れました。一方で、勉強に打ち込んできた大学生活を少し取り戻すかのように、4年次には学部の友人やチューター仲間と海外旅行に出かけるなど、学生生活も存分に楽しみました。努力と解放、その両方を味わえた1年だったと思います。

推薦入学で体力が有り余っていた私は何となくTACへ

監査業務を通じて感じた理論と現場のギャップ

トーマツへの入社を選んだ理由は、グローバルに展開する総合商社の監査に携わることができる点、そして将来的に海外で働くチャンスがあると考えたからです。幅広い業種・地域に関与できる環境は、自分の可能性を広げてくれると感じました。私は、大学4年生で海外旅行に行くまで、海外との接点が全くありませんでした。慶應義塾大学には帰国子女や海外経験が豊富な学生も多く、そうした環境の中で、自分が英語を話せないことに対して次第にコンプレックスを抱くようになりました。少し安直ではありましたが、「将来は英語を使って仕事ができるようになりたい」と考えるようになったのです。その想いが、グローバル案件に関われる環境を選ぶ原動力の一つになりました。

トーマツに入社してからは約8年半、総合商社の監査を担当しました。部署としては米国監査基準グループという米国に親会社があり日本に子会社を持つ外資系企業の監査を専門に行う部署に配属。外資系企業に加えて商社の監査を担当していました。年間の関与割合としては7割が商社、3割が外資系企業でした。駆け出しの頃は、自身の力不足を痛感する場面が数多くありました。優秀な商社マンと向き合いながら、多岐にわたる事業や複雑な取引を会計基準へどのように落とし込み、それが財務諸表利用者にとって有用な開示情報となっているかを検討する。そのプロセスは想像以上に難しく、理論だけでは太刀打ちできない現実を突きつけられました。
一方で、その難しさこそが大きな学びでもありました。世界情勢やマーケットの最新動向を理解しながら、グローバルメンバーと議論を重ねる日々は非常にダイナミックで、刺激的でもありました。机上で学んだ会計基準が、実際のビジネスの現場でどう機能するのか。そのリアルに触れられたことは、私にとって大きな財産になっています。

監査業務を通じて感じた理論と現場のギャップ

2年間の米国駐在が自信につながった

2021年9月、私は米国のDeloitte ヒューストンオフィスへ赴任し、担当商社のエネルギー系子会社及び現地企業の監査を担当しました。Deloitte内で日本人は私を含めて2名のみ。監査チームは全員ネイティブのアメリカ人で、業務は常に英語で行われました。渡米前にはTOEICを受験し、会社が提供するオンライン英会話も受講して準備を重ねていましたが、実践的な英会話の経験はほとんどなく、赴任当初は大きな壁にぶつかりました。会議では発言のタイミングをつかめず、雑談にさえ入れないこともありました。英語を話すこと自体への抵抗は徐々になくなっていきましたが、チームの会話スピードやニュアンスを自然に理解できるようになるまでには、1年ほどかかったように思います。チームの中で唯一の男性の同僚とは特に親しくなり、仕事面だけでなく私生活でも多くの支えをもらいました。異国の地で築いた信頼関係は、私にとって何よりの財産です。帰任直前、彼から結婚式の招待状を受け取ったときには、心から感動しました。単なる駐在経験ではなく、人としてのつながりを築けた2年間だったと感じています。

在米中の主な業務は、現場主任としての監査実務の統括、チームメンバーの業務管理および成果物レビュー、そして日本チームへの情報連携でした。クライアントには日本人も在籍していましたが、経理の現地化が進んでいたため、日常的にやり取りをするのはアメリカ人が中心でした。日本とアメリカの仕事の進め方のギャップには苦労しました。苦労したのは、日本とアメリカの仕事の進め方の違いです。日本では比較的ボトムアップで丁寧に積み上げていくアプローチが多い一方、アメリカではトップダウンでスピーディーに意思決定がなされる場面が多くあります。中間管理職の立場として、どこまでを自分で判断し、どのタイミングで上司にエスカレーションすべきか、その線引きに迷うことも少なくありませんでした。また、担当していた石油・ガス業界特有の会計論点は非常に専門性が高く、その理解にも相当な時間と労力を要しました。加えて、アメリカ特有の法律社会や規制環境、保障や訴訟リスクといった、日本ではあまり直面しない論点についても理解する必要がありました。それらを咀嚼し、日本チームへ正確に報告・説明することも重要な役割の一つでした。そうした業務への取り組みを評価していただき、赴任中にマネージャーへ昇格できたことは、大きな自信につながりました。
2年間のヒューストン赴任を経て、英語や文化の違いにも戸惑い、決して平坦な道のりではありませんでした。しかし、どんな環境であっても、関わる人に対して真摯に向き合い続ければ、理解し合うことができ、助けてもらえる。そして、自分自身も乗り越えられる。この経験を通じて、私は「どんな環境でも、やればできる」という確かな自信を持つことができました。

2年間の米国駐在が自信につながった

監査法人から事業会社へのキャリアチェンジ

2023年に米国駐在を終えて帰国し、再び米国監査基準グループに所属しました。海外経験を経て業務にも自信がつき、個別の事象に対して会計基準を適用する力は着実に身についていると感じていました。一方で、次第に新たな想いが芽生えます。それは「企業の財務数値を使いこなす側」になりたい、というものでした。決算を“監査する”のではなく、“作る”。さらに言えば、数字を単なる結果として扱うのではなく、ビジネスを前に進めるためのツールとして活用したい――そう考えるようになったのです。

マネージャーから次のポジションを見据えるタイミングで、改めて自身のキャリアを見つめ直しました。そして、事業会社で経理・ファイナンスを担う道へとシフトする決断をします。こうして私は、米国外資企業へ転職し、ファイナンスマネージャーとしてのキャリアをスタートさせました。

事業会社での業務は、監査とはまったく異なる視点が求められました。単純な仕訳処理や税務申告といった実務から、決算説明、内部プロセスの改善まで、これまで深く関与してこなかった領域を幅広く担当しました。数字の裏側にあるオペレーションや意思決定プロセスを理解することで、「企業活動と財務の接続」をより実感できるようになりました。また、アジアパシフィック地域内での連携やチームプロジェクトも多く、異なる国・文化のメンバーと協働する経験は、新たな視座を与えてくれました。そうした経験を積む中で、次のキャリアステップとして、IRや資金調達といった資本市場により近い領域に関わりたいという想いが強まっていきます。同時に、「自ら収益を生み出す側」に立ちたいという意識も芽生えました。

そのようなタイミングで、現在所属しているGuzman Grayから声をかけていただきました。これまで培ってきた日米監査経験、事業会社でのファイナンス経験、そして資本市場への関心。それらが重なり合い、2025年4月より現職に就いています。

監査法人から事業会社へのキャリアチェンジ

資本市場の臨場感を味わえると思い、「GuzmanGray」へ

私は、カリフォルニア州コスタメサを拠点としている米国監査法人GuzmanGrayで日本エリアを担当しています。GuzmanGrayは、米国大手ナショナルファーム出身の2名のマネージングパートナーが、カリフォルニア州ロングビーチの会計税務事務所を買収し、リブランディングによって設立された監査法人です。2024年1月には米国PCAOB(Public Company Accounting Oversight Board:公開企業会計監視委員会)に登録し、現在は米国上場している日本企業および米国企業を中心に会計監査を行っています。
入社して間もなく1年になりますが、私の主な業務は以下の4つです。

① NASDAQ上場日系企業の監査
② NASDAQ/NYSEへの上場を目指す日系企業のIPO監査
③ 顧客開拓のための営業活動
④ 将来を見据えた強固なチームを構築するためのリクルート活動

私がGuzmanGrayへの入社を決めた理由は明確でした。成長期にある監査法人に参画できる貴重な機会であること、これまでの「日米監査」というキャリアを最大限に活かせること、そして米国上場という資本市場の最前線に身を置けること――私にとって入社しない理由はありませんでした。加えて、2名のマネージングパートナーと面談した際、その熱意と明確なビジョンに強く共感し、会社とともに自らも成長できると確信したことが最終的な決め手となりました。

私たちがNASDAQ/NYSEへの上場に関する事業に取り組む背景には、明確な課題認識があります。これまで、日系企業のPCAOB監査は米国や中国系の監査法人が米国または中国からリモートで実施するケースが多く見られました。しかし、言語の壁、時差の問題、さらに文化の違いなどにより、監査対応に多くの負担が生じることがあります。その結果、監査の実効性、監査の遅延や、SEC(Securities and Exchange Commission:米国証券取引委員会)へのレポート提出の遅れが発生する事例もあると伺っています。また、企業側においても、英語で専門的な監査対応ができる人材が限られているという課題があります。こうした状況は、企業にとって大きなストレスやコスト要因となり得ます。

私たちは、Big4を除き、日系監査法人として初めてPCAOB監査に本格対応できるファームの一つとなりました。 「日本で、日本人が、日本語で行う米国監査」という選択肢を提供することで、NASDAQやNYSEへの上場を目指す企業が抱える課題を解決し、日系企業の挑戦を支えていきたいと考えています。監査遅延や言語面での負担軽減に加え、日本特有の商慣習、税制、取引実態を日本語で正確に理解した上で監査を実施することにより、監査品質の維持・向上にもつながると考えています。監査品質は監査法人だけの問題ではありません。監査法人を監督するPCAOBは定期的に検査を行っており、万が一、監査が十分に実施されていないと判断された場合には、過去の監査のやり直しが求められるケースもあります。その場合、企業側にも追加的な時間的・金銭的負担が生じる可能性があります。だからこそ、企業にも監査品質の重要性をご理解いただくことが不可欠です。

マネージングパートナーのうち1名が日本人であることから、日本市場はGuzmanGrayにとって最重要戦略の一つです。そのため、当法人ではパートナー主導で監査計画の策定から監査手続、意見形成までを一貫して実施しています。
また、日本と米国を合わせて約10名の日本人または日本語対応可能なスタッフが在籍しており、密接に連携しながら監査を行っています。スタッフからパートナーまで、各階層において日本語でのコミュニケーションが可能であることは、企業にとって大きな安心材料となっています。
実際に、「監査対応が効率的になった」「コミュニケーションコストが大幅に削減された」といった評価をいただいています。

資本市場の臨場感を味わえると思い、「GuzmanGray」へ

NASDAQ・NYSE上場支援に大きなチャンスを感じる

この仕事の魅力は、CEOやCFOと近い距離で関わりながら、IPOという資本市場の最前線に携われる点にあります。NASDAQやNYSEの関係者と直接コミュニケーションを取る機会もあり、証券市場に隣接した立場でビジネスの臨場感を体感できることは、大きな醍醐味の一つです。

また、この分野は多様な専門家が関わるエコシステムによって成り立っています。監査法人のみならず、弁護士、証券会社、会計コンサルタント、IPOアドバイザリー会社など、さまざまなプレイヤーが連携しながら上場を支えています。クライアントに伴走する過程で、こうした関係各所と信頼関係を築くことができるのも、この仕事の大きな価値です。中長期的には、そのネットワークが新たなご縁や案件の紹介につながっていく可能性もあります。

NASDAQに上場する企業の多くは、米国監査のみを受けているケースが一般的です。また、事業規模としてはBig4が主に担当する超大規模企業とは異なるレンジに位置する企業も少なくありません。一方で、PCAOB監査は非常に高い水準の品質管理と専門性が求められ、それに対応できる人材の確保は容易ではありません。その結果、日本国内においては「米国上場を目指す企業層」と「PCAOB監査に対応できる体制」の間にギャップが生じているのが実情です。私たちは、このギャップを埋める存在として、大きな可能性と成長機会を感じています。

近年、資本市場を取り巻く環境は大きく変化しています。東証の上場維持基準の見直しや、米国市場における上場要件・開示制度の整備など、国内外で制度面のアップデートが進んでいます。
こうした外部環境の変化を背景に、日本企業にとっても資本政策の選択肢をより多角的に検討する重要性が高まっています。特に、日本市場ではバリュエーションが付きにくいとされる分野や、今後米国での事業展開・市場拡大を見据えている企業にとっては、NASDAQやNYSEでの資金調達をファイナンス戦略の一つとして検討する意義は今後さらに高まる可能性があります。
海外市場への上場は単なる資金調達手段にとどまらず、グローバル投資家へのアクセス拡大、ブランド力の向上、海外事業との親和性向上など、戦略的な意味合いも持ち得ます。
今後、こうしたテーマについて理解を深めていただく機会として、NASDAQをはじめとする米国上場に関するセミナーの開催も検討しています。制度面の最新動向や実務上のポイント、活用事例などを整理し、日本企業の中長期的な成長戦略・資本戦略に資する情報提供を行っていきたいと考えています。

NASDAQ・NYSE上場支援に大きなチャンスを感じる

キャリアチェンジは素養が揃ってからでは遅く少し足りないくらいがちょうど良い

今後、Guzman Grayは日米両市場で事業拡大に取り組んでいきます。ただし、単なる規模拡大ではなく、“Healthy Growth”を軸に、監査品質を確保しながら持続的に成長していくことを重視しています。そのため、顧客開拓を進めると同時に、日本または米国公認会計士資格を有する将来有望なメンバーの採用・育成にも注力していきます。組織の成長と監査品質は両輪であり、どちらか一方だけでは成り立ちません。

特にキャリア5年前後で活躍されている若手会計士の皆さんにお伝えしたいのは、「スピード感」と「環境選択」の重要性です。 私自身のキャリアは、いわば“環境先行型”でした。完璧に準備が整ってから挑戦するのではなく、1つや2つ足りないものがあっても、あえて新しい環境に飛び込んできました。英語もその一つです。十分に自信がある状態で挑戦したわけではありません。

しかし振り返ると、環境が自分を引き上げてくれたと感じています。 これからキャリアの可能性を大きく広げられる若手の皆さんに伝えたいのは、キャリアは「準備が整ってから動くもの」ではなく、「動くことで整っていくもの」だということです。すべての素養が揃うのを待っていては、タイミングを逃してしまいます。むしろ、少し足りないくらいがちょうど良い。挑戦することで不足を埋める力が養われます。 ベンチャー企業も、すべてが揃ってから行動することはほとんどありません。不確実性があるからこそ、成長の余地があります。

やらなければ可能性は広がりませんし、やってみなければ分からないことの方が多いものです。多少のリスクがあったとしても、そこに可能性があるのであれば、一歩踏み出す。その積み重ねが、自身の選択肢を広げ、将来の成長につながると私は考えています。

プロフィール

トップランナー 公認会計士 vol.31
公認会計士
岡田 圭輔 Keisuke Okada


2017年慶応義塾大学商学部卒業。19年公認会計士登録。有限責任監査法人トーマツ、米外資系企業にてファイナンスマネージャーを経て、現在は米国監査法人GuzmanGrayにて日系統括マネージャーとして、日系企業の NASDAQ・NYSE 上場を PCAOB 監査の観点から支援している。

会社HP
https://guzmangray.com/jp/home/
問い合わせ先
keisuke.okada@guzmangray.com

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