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トップランナー 公認会計士

M&Aの財務アドバイザーとして
活躍する公認会計士

PwCアドバイザリー合同会社
シニアマネージャー 宮澤 祐一郎さん
株式会社フツパー 取締役CFO 兼 管理本部長 髙木 真一郎さん株式会社フツパー 取締役CFO 兼 管理本部長 髙木 真一郎さん

甲子園球児から公認会計士を志す

相模原出身の私は根っからの野球少年でした。小中学校と野球を続け、慶應義塾高等学校在学時には神奈川県代表として甲子園出場も果たしました。個人的にベンチ入りすることはできませんでしたが、レギュラー組と一緒にハイレベルな環境下の練習で毎日汗をかいていました。そんな流れで大学生になった私は「野球燃え尽き症候群」と言いますか、次に何か打ち込めるものを漠然と探していました。公認会計士の勉強を始めたきっかけは、経済学部で周囲に公認会計士を目指している友人が何人かいたのと「今後は終身雇用な働き方は終わることを見据え、どの環境でも働ける専門性を身に付けたい」という気持ちからです。試験勉強の日々は今でも懐かしく思います。ゼミにもサークルにも属さず、寂しさと不安を感じながら勉強をしていました。公認会計士試験には大学卒業年に合格したのですが、卒業から合格までの間、大学院に進学し、会計を「学問」としても学び、「会計の考え方」を深く勉強することができました。すると、「会計学」が面白くなり、受験勉強よりも大学院の勉強を優先するほどハマってしまいました。

甲子園球児から公認会計士を志す

20代から多くの経営者と対峙しながら経験の幅を得る

監査法人時代にIFRSでのIPO案件を担当

2010年に論文式試験に合格した私は、早い年次から上場会社・上場準備会社・非上場会社の現場責任者を担うことができると考え、準大手監査法人へ入社しました。個性的な経営者と直接対峙したいと思い、小規模・中規模のクライアントを希望していたのですが、結果として、希望する業務を一通り担当することができました。20代前半にも関わらず多くの経営者と接する機会に恵まれたと思います。

担当した業種は、金融・建築・SIer・不動産ファンドからアミューズメントまでと非常に幅広かったため、各業界のビジネスモデルを理解するための勉強にも精を出しました。たとえば、不動産ファンドの監査では、SPCの法令に準じた独自の会計処理を理解しなければなりません。複数の業界の監査のため、現場を経験することで、アミューズメント施設やハウスメーカーなどの普段知ることができない世界に触れることができました。

会計×コンサルティング×グローバルの道を選ぶ

アーリーステージのスタートアップ企業を支えたい

4年間の監査で楽しかったのは、やはりさまざまな人とお話する機会に恵まれたことです。特にクライアントから経営に関する相談を受けた時は、専門家としての気概を感じました。修了考査に合格した頃には、会計士として経営者を支援したいという気持ちが芽生え始めていました。2015年1月、私はPwCアドバイザリー合同会社(以下:PwCアドバイザリー)へ転職します。PwCアドバイザリーを選んだのはとにかくグローバル案件に強いアドバイザリーファームだったからです。次のステージでは、多くのクロスボーダー案件に携わりたいという一心でした。

PwCアドバイザリーへ入社直後、大型再生案件を連続して担当しました。クライアントの資金繰り表を仮説に基づきながら作成していき、まるでドラマのような案件で、とても刺激的な毎日でしたが、転職して早々にカルチャーショックを受けました。M&Aはとにかく短期決戦です。「必要な資料は何か?」「誰にどのように報告する必要があるのか?」など状況を判断しながら自分の中でPDCAを繰り返していかなければなりません。年間スケジュールがある程度予測できる監査とは正反対の世界で、「用意された手続書なんて存在しない、常に自分で考えて、計画して行動しよう」と上司にも厳しく指導されたのを覚えています。これは個人的な実感となりますが、入社半年間で、かなりの成長を感じることができたと言っても過言ではありません。

手掛けた財務DDは100社以上

手掛けた財務DDは100社以上

PwCアドバイザリーの1年目は大型再生案件からスタートした私ですが、8年間で数えきれないM&A案件に携わってきました。手掛けた財務デューデリジェンス(DD)は100社以上あると思います。担当するM&A案件の中では、クロスボーダー案件もあり、日本企業が海外企業を買収するIn-Outと、海外企業が日本企業を買収するOut-Inに区分されます。もちろん、国内企業間でのM&A(In-In)案件も担当します。In-Out案件の開示資料は英語である一方でクライアントへのレポートは日本語。反対にOut-In案件の開示資料は日本語、レポートは英語です。やはり英語は不可欠な仕事ですが、実はPwCに入社するまでは英語の財務諸表を目にしたこともありませんでした。英語はあくまでもツール。PwCで仕事を続けていけば自ずと英語力は身についていくので安心してください。

総合商社でDD/VLの指南役となる

総合商社でDD/VLの指南役となる

2017年から2019年の2年間、私は大手総合商社へ出向しました。総合商社は、実にさまざまな分野でM&Aを繰り返しています。今まではアドバイザリーとしての立場でM&Aに携わってきた私は、M&Aを実行する当事者側の立場に立ったわけです。出向先では誰もが知っている流通業や製造業の買収を経験しました。「買い手」の立場を体感することで、大きく2つのことを学びました。1つは、主体的な目線でM&Aを考えることができるようになったことです。もう1つは、他社のレポートやプレゼンテーションを実際に目にすることで、どのように報告すればクライアントから評価され、頼りにされるかということを主体的に深く考えることができたことです。「単に与えられた依頼に基づき、レポートを作成し報告するのではなく、常に買い手の立場に立って報告を行う」という当たり前のことが当時の私には新鮮でで、仕事に対するモチベーションが倍増しました。

シニアマネージャーとしてプロジェクトを牽引する

アーリーステージのスタートアップ企業を支えたい

入社8年目の現在、シニアマネージャーとしてスタッフ、シニアスタッフを巻き込みながら仕事を進めています。部下に対しては、最初から詳細の指示をしないように心掛けています。なぜなら重要なことは自分で考えたほうが吸収するからです。加えて、仮に間違っていた判断をしていたとしても即座に否定しないように心掛けています。「どうしたらもっと良くなるか?」を一緒に考えながら、あくまでも本人の意見をベースにレポートを進めてもらっています。なぜなら、優秀な人ほど思考能力が高く「自分で考える」ことが好きだからです。
「自ら考える」という姿勢は、PwCの文化かもしれません。過去の事例に捕らわれず、考えることが好きな人にとっては非常にエキサイティングな仕事です。

FAS業務の魅力は、クライアントの重要な意思決定に携われること。加えて、弁護士、税理士、不動産鑑定士、戦略系ファーム出身者など、幅広い専門的なロジックに触れられることです。
私自身「この人に聞けば何とかなる!」と思われる専門家、バイネームで仕事をいただける専門家になりたいです。

プロフィール

トップランナー 公認会計士 vol.22
PwCアドバイザリー合同会社
シニアマネージャー
宮澤 祐一郎 Yuichiro Miyazawa


1987年神奈川県生まれ。2010年公認会計士試験合格。
2011年より準大手監査法人で監査実務を経験したのち、2015年からPwCアドバイザリー合同会社にて主に財務デューデリジェンス等のアドバイザリー業務に従事。
2017年から大手総合商社に出向し、営業部署へのM&Aサポート業務を経験する。
2020年に帰任後は、主に消費財(コンシューマー)業界の会社をターゲットとしたM&Aのアドバイザリー業務を提供している。

TACマリッジコンシェルジュ
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