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THE PROFESSIONALS 税理士の仕事
グローバル企業向けコンサルティング
税理士の仕事はコンサルティング
学生の皆さんに私がどうしてもお伝えしたいことがあります。それは「税理士の仕事は決してなくならない」ということです。今、税理士の仕事は「申告書作成」「税務調査対応」といった受注型のものから「タックスコンサルティング」を通じて企業に貢献する提案型に大きく変化しています。
私たちは多くのグローバル企業にタックスコンサルティングを提供しています。「グローバル企業」と聞くと大手上場企業を思い浮かべる方が多いかと思います。しかし、近年では中堅企業からベンチャー企業まで組織の規模を問わずに海外に進出しています。そうした企業は、国内だけでは完結しない海外が絡む税制に対応しなければなりません。しかし、年々複雑化する税制に対応しうる専門家は企業内外問わず全く足りていないのが現状です。グローバル企業にとっては「タックスコンサルタント」たる外部専門家の力が不可欠なのです。
最大のトピックは法人税率15%以上の新ルール
ところで、皆さんは「タックスヘイブン(Tax Haven)」という言葉をご存じでしょうか?日本語では「租税回避地」と呼ばれる地域を意味しますが、簡単に言うと法人税や所得税が極めて低い国や地域のことです。世界中の資産家のタックスヘイブン取引をリークした「パナマ文書(2016年)」「パラダイス文書(2017年)」の機密文書が話題になり一躍知名度が上がりました。
各国の税制や国際課税ルールとの間のズレを利用することで、グローバル企業がその課税所得を恣意的に操作し、課税逃れを行っている問題をBEPS(Base Erosion and Profit Shifting:税源浸食と利益移転)と言います。具体的な事例を1つご紹介しましょう。法人税率が30%のA国と10%のB国があったとします。この時、A国に本社を構える企業がB国に現地法人を設立すれば、法人税率10%をB国に納めるだけで、20%分の税金が軽減されます。グローバル企業にとってみれば、税金はコストであってその負担を軽減したいのは当然です。しかしながら、税負担を過剰に回避することは、競争環境の不平等化、各国の法人税引き下げ競争の激化による税収の減少、産業の流出や雇用の減少といった社会的な問題を招いてしまいます。
これらのBEPS問題を解決するために「国際的に合意された最低税率15%まで課税する」ことが2021年のG7で合意されました。この国際課税の新ルールは「グローバル・ミニマム課税」と呼ばれており、日本では2023年3月に法人税法が改正され、以後段階的に導入されています。この新ルールに対応するためには、進出する国単位で実効税率を計算する必要があります。従来実施してこなかった、各国の会計や税務上の細かなデータを日本の親会社で集約し分析するといった対応が、今まさに多国籍企業に求められています。そして、私たちKPMGもグローバルなネットワークを有する強みを活かして、このようなクライアントの新たな取り組みをサポートしているところです。
図1をご覧ください。海外に子会社をもつP社に法人税率0%の海外子会社S社があります。15%ルールが適用されると、S社の所得の15%相当額が、P社で課税されることになります。親会社は、海外子会社の税務情報をタイムリーに収集・分析し、その情報に基づき、申告・納税をする必要が生じるため、グローバルでの税務ガバナンスの強化を推進しています。
KPMGのグローバルネットワークを活用
税法や特例措置は多くの国で毎年変更されます。グローバル企業の子会社や関連会社は100社を超えることも珍しくありませんので、経営者や税務担当者がすべての税務対応をすることは物理的に不可能と言えるでしょう。私たちはKPMGのネットワークを活かして、現地の最新情報を手に入れた上でタックスコンサルティングをしています。
タックスコンサルティングのニーズは広がる一方です。しかし、こうしたグローバル企業の税務課題を扱うことができる税理士法人は極めて少数。一流の専門家の数はプロ野球選手よりも少ないとも言われています。まさにプロフェッショナルと言える仕事なのではないでしょうか。KPMG税理士法人は採用に際して、税理士試験や合格科目数を不問としています。日本企業を支えるダイナミックな仕事をKPMGで体験してみませんか?
プロフィール
2009年KPMG税理士法人入所。インターナショナルコーポレートタックス部門にて主に大手グローバル企業の税務申告、国際税務アドバイス、税務ガバナンスのコンサルティングを担当。2018年に退所後、日系上場企業の国際税務部門での勤務を経て、2021年に再入所し、シニアマネージャーとして主にBEPS対策支援業務に従事。
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KPMG税理士法人は、東京・大阪・名古屋・京都・広島・福岡を拠点に820名以上の人員を擁する、国内最大級の税理士法人です。私たちはクライアントのビジネスニーズに柔軟に対応するため、税務コンプライアンス業務に加え、企業活動におけるさまざまな場面に対応した的確な税務コンサルティングを提供しています。さらに、近年はテクノロジーを駆使した税務マネジメントの提案や、ビッグデータに基づく税務コンサルティングなどのサービスも提供しています。