就職活動において、履歴書ならびに職務経歴書は最初に応募先に提出する大切な書類です。履歴書・職務経歴書の完成度が低ければ、面接を受けることも出来なくなってしまいます。
そのため、事前に自分の経歴や志向について、応募先の情報については隈なく確認して、履歴書ならびに職務経歴書を作成していきましょう。今回は、税理士法人向けの履歴書ならびに職務経歴書の書き方についてご紹介していきます。
履歴書の書き方
履歴書の注意点
①写真について
写真は、スピード写真ではなく、写真館などで撮影することが推奨します。首元から上が見えて、かつ顔がハッキリと映っているものにしましょう。背景は、白・青・グレーなどが好ましいです。写真は最初に目に付くところです。しっかり準備して鏡などで身だしなみをチェックして整えてから撮りましょう。
②学歴について
出身高校から記載するといいです。職歴につきましては、アルバイトされている場合でも学生は「なし」と記載すれば問題ないです。社会人の場合は、社歴を記載してから最後に「現在に至る」と記載しましょう。
③資格について
資格は正式名称を記載しましょう。「簿記二級」など略さずに、「日本商工会議所 簿記検定試験 二級」や「日商簿記検定二級」のように記載しましょう。また、税理士試験を受験されて結果待ちの場合でも、受験された旨は記載すると、本気で税理士を目指している旨のアピールに繋がります。すでに科目合格や官報合格されている場合も、どの科目を取得しているかは重要なポイントですので、明記しましょう。
④志望動機について
税理士・科目合格者(事務所経験者)
経験者の場合は、ご自身のやりたいことを明確に記載して、応募先の法人で働きたい意欲をアピールしましょう。実際に応募先がされているサービス内容をホームページや、求人票などから調べて、なぜその法人に行きたいのか、どこに魅力を感じているのかを自分のやりたいことと結び付けて記載すると、高い志望度が伝わるかと思います。
科目合格者・日商簿記合格者(未経験)
経験者同様に、未経験の場合でも自分が目指したい税理士像をお持ちいただくことは大切です。税理士像を記載いただく場合は、「お客様に寄り添える税理士を目指したい」のような専門にしたい分野に触れない形の税理士像でも大丈夫です。注意いただきたいところは、志望動機のメインの理由を「研修制度」「ワークライフバランスの取りやすさ」などにしないことです。未経験ですので、気持ちはわかりますが、業務内容や、応募先のクライアントの特徴などをメインの理由に記載して、自分のなりたい税理士像と結び付けて記載すると、就業意欲をアピールできると思います。
また、キャリアチェンジでの転職の場合は、読み手に対してなぜ未経験分野での転職をするのか、応募先にて前職で培った経験で活かせるものが何かを伝えましょう。
⑤自己PRについて
学生の場合
大学時代のサークルやゼミ、アルバイト等で経験した何かに取り組んだエピソードを記載していく形になりますが、可能であれば何か課題や目標に対してチームで取り組み、その中で自分はどう働きかけていたか、どう考えて動いたかを明記するといいです。もし、エピソードがなければ、高校時代のエピソードでも問題ないです。何か一つのことを続けてきた経験も評価されますので、アピールするとよいです。
社会人経験者の場合
仕事に対する考え方は、どの業界・業種でも見られるポイントになります。現職ないし、前職でどう考えて業務を進めていたか、課題や目標に向かってどう取り組んでいたかを記載して、その経験が応募先でも活かせるという風に結び付けてもらうと良いと思います。
会計事務所経験者の場合
会計事務所での経験で培った自分の強みや、気づきなどや、現職でどういうお客様と接してきたか、何を心掛けてお客様の課題解決に取り組んでいたかなどを記載するといいです。その業務経験の中で新しく興味が湧いてきた分野があり、その業務をするために転職するような結びつけなどもできればより説得力の増す履歴書になると思います。
⑥性格について
ここでは、自分の応募先で活かせる強みについて記載するといいです。ポジティブなワードを使って、自分の性格がわかるエピソードを書いて先方にアピールしましょう。注意点としては、ネガティブなワードや、攻撃的なワードは控えると印象面において不利益を被る可能性は低くなると思います。
⑦本人希望記入欄について
希望がある場合は、こちらに勤務地や、入社日の希望を書きましょう。給与面については、未経験の方は貴法人規定に従いますと記載することをお勧めいたします。
職務経歴書・自己経歴書
職務経験がある方は、今までの職務内容を職務経歴書に記載しましょう。
職歴のない学生は職務経歴書ではなく、自己経歴書として、学習履歴や、税理士を目指したきっかけや、履歴書に書ききれなかった学生時代に注力してきたエピソードなどあれば記載するといいです。
①略歴について
自分のキャリアについて端的に記載して、下記記載の詳細な職務経歴を見てもらえるようにしましょう。何か実績や、資格等取得した経緯についてもまとめて記載しましょう。
略歴の記載としては、名詞で文章が終わる場合、句読点は不要です。資格などは正式名称で記載するとよいです。
②学習履歴について
自分が税理士を目指したきっかけや、なぜ会計業界に就職を考えたかを率直に記載するといいです。書き方としては、自分の意志で選択した結果、税理士を目指すことにしたなど、友人や親に勧められてなど、他社による意思決定の内容は控えるとよいです。
②職務経歴について
「書き方の順番」
直近で働いていた会社・法人から過去に遡って書きましょう。
「自分が組織で何をしていたか明確にする」
会計事務所・税理士法人にて実務経験がある場合は、自分がどういう立場でかかわっていたか明記しましょう。税理士として税務申告書作成という業務一つをとっても、役割や関与の度合はまちまちです。
補助的に携わっている方もいれば、自分で申告書を作って最後に税理士にチェックを受けている方、あるいは税理士としてチェックする側にいる方もいますので、自分がどのようにかかわってきたのかわかるように記載しましょう。
使用していた会計ソフトも記載するといいです。
「担当クライアントの概要を伝えよう」
自分が担当したクライアントの規模感や、業種、担当件数についても書きましょう。自分がどの業界・業種の分野に精通しているかをアピールできますし、上場会社などの税務業務をされている場合でしたら、高度な税務業務の経験を持っていることの指標にもなりますので、ぜひ記載してください。チーム制での担当か、個人制なのかも明記するといいです。
一点注意点としては、守秘義務を遵守するためにもクライアントの名称は避けるようにしましょう。クライアントが特定できない範囲で表現してください。
「税務業務以外のプラスαがあればアピールしよう」
税務業務以外でも、何か経験があればアピール材料として記載するといいです。組織再編、事業承継、M&A、デューデリジェンス、IPO支援といった専門的なサービスの経験は大きな強みになります。補助的にでもそれらに携わっている経験があれば内容を記載しましょう。また、給与計算など管理部門の業務を一括で業務委託している場合もプラスαの経験として盛り込みます。他にも、部下のマネジメント経験や、新人の教育担当の経験もあれば記載するといいです。
「事業会社を受ける場合の注意点」
税理士試験の科目合格者の方が事業会社を受ける場合、採用担当者は「5科目合格したら、独立するために退職し、税理士事務所に転職するのではないか」と考える可能性もあります。
そのような懸念を抱かせないためには、「あくまでも会社の業務に生かすため、自己研鑽として勉強している」「独立志向はなく、企業内税理士としてのキャリアパスを考えている」、あるいは「今後は試験を受けるつもりはなく、実務経験優先でやっていきたい」というように、将来的なキャリアに対する意向について一言触れておくといいでしょう。
③趣味について
趣味欄に記入された内容で合否が決まることはほとんどありませんが、空欄のままにしておくと印象が悪いため、何かしら記入するようにします。ただし、税理士はクライアントの経理を預かる立場なので、競馬やパチンコといったギャンブル系の趣味の記入はNGです。
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