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THE PROFESSIONALS 税理士の仕事

〈 その道のプロからお話しを聴く 〉

07組織再編

太陽グラントソントン税理士法人

税務部門 パートナ 税理士 三浦 英二(みうらえいじ)(左)

都市銀行にて、資産税知識をベースに、信託業務、相続税対策などプライベートバンク業務に従事。現在、会社法・会計・税務のコンサルタント活動を行う。オーナー企業をターゲットにした会社法・会計・税務のコンサルタント活動を行う。

国際税務 パートナー 税理士 田中 秀治(たなかひではる)(右)

2002年11月より現職。海外投資ストラクチャーの設計、地域統括会社の設立・運営、海外派遣社員に関する税務アドバイスを手がける。日本企業の海外進出に伴う税務アドバイス、移転価格、組織再編にも従事。

太陽グラントソントン税理士法人 税務部門 パートナー 税理士 三浦 英二(みうらえいじ)氏(左) / 国際税務 パートナー 税理士 田中 秀治(たなかひではる)氏(右)

組織再編とは

「組織再編」とは、会社の組織をくっつけたり(合併)、分けたり(分割)することで、会社の「利益」を増やそうとする経営戦略のひとつです。会社の利益を増やすには「売上を増やす」か「コストを減らす」方法があります。私たち税理士は、営業や商品企画のプロではありませんので、「売上を増やす」アドバイスを期待されているわけではありません。会社は私たちに「コストを減らす」ため、特に「税金を減らす」ためのアドバイスを期待します。

会社は設立して年月が経つと同じような役割の組織が複数あったり、採算の取れていない事業が出てきます。こうした会社の組織を変えてコストを削減し、しかもできるだけ税金のかからない方法を提案するのが私たちの仕事です。

平成13年の法人税法の改正で、一定の要件をクリアしていれば課税を繰り延べる「組織再編税制」が制定されました。これを機に組織再編の需要が一気に拡大しました。

ステージ1 ニーズの把握

相手の会社からニーズ・目的を聞き出します。一言でニーズ・目的と書きましたが、ニーズ・目的がとても明解な会社から漠然とした会社まで実に様々です。大きな上場会社だと「持株会社に移行したい」「事業部を分社化したい」など、はっきりした希望が出され、その目的もしっかり説明されるのが普通です。このような会社では、私たちの役割も「この段階の税務リスクを検証する」などという明確なものとなります。こうした会社だと既にニーズも目的も全て自社内で明確化されているということです。一方、株式を上場していない会社などでは、はっきりしているのは「組織をまとめて利益を最大限に高めたい」などという目的だけで、具体的な方法論は何もないということもあります。こうした会社だと、会社の組織や利益構造など多岐にわたって、しっかりとヒアリングをします。ただ時間的に制約があることも多く、集中して仕事を進めていきます。グループ会社を運営している会社からの相談が一般的です。3社から10社程度の子会社を持っていることが多いです。

わかりやすくするため、P社の例で説明します。P社には、製造部門、販売部門、管理部門があり、4社の子会社(物流会社のA、倉庫会社のB、販売会社のCとD)があります。ビジネスの効率化とコスト削減のため、ホールディング・カンパニー(持株会社:以降HD)を設立しようとしています。

ステージ2 選択肢・プランの提案

組織再編には、「合併」「分割」「株式交換・株式移転」「現物出資」などの方法があります。目的に最も適した方法を選択し、数通りのプランを作成し、提案します。プラン毎のメリットやデメリットを明確にして、会社の判断を待ちます。組織再編税制が適用されるためには、定められた条件を全てクリアしなければなりません。この条件をクリアできていないと税務当局が判断したときには、課税されてしまいます。

HDを設立するときの、最も一般的な手法は、株式の交換です。親会社の株式(旧株式)をHDの株式(新株式)に交換するのです。組織再編税制では定められた要件をクリアすることで「株式の交換」時点では課税されません。万一、要件が充足しなかったら組織再編税制は適用されず、「旧株式の売却」「新株式の購入」という手続きとして認識されてしまいます。旧株式の取得価格がわからないと、法的に売却価格の5%が取得原価です。なんと売却価格の95%が所得です。この所得へ課税されてしまうのですから、いかに税務リスクが大きなものかがご理解いただけると思います。この例は実際にはまず起こり得ないことですが、私たち税理士は、こうしたリスクを回避するために、全てのファクターを洗い出すのです。そしてお客様と一緒に討議を重ねて選択するプランを決定します。

P社の例では、販売部門はC社とD社を合併し新会社Eとし、P社の製造部門を分社化しF会社を設立、HDには管理部門のみを残すこととしました。

組織再編

ステージ3 プロジェクトチームの発足

お客様企業の社員の方々でプロジェクトチームを編成します。メンバーは経営陣・役員のほかに総務・経理・人事・システムなどの管理部門をはじめ、子会社の幹部、製造の現場担当などです。会社の規模やプランによって人数は異なりますが、多くは20~30人程度です。税理士は、社会保険労務士、司法書士ときには弁護士などのプロフェッショナルと一緒にサポートチームを構成します。税理士はサポートチームの中心的な存在です。

会社数や規模によって異なりますが、プロジェクトチームは、月1・2回程度のミーティングを重ねます。問題点の洗い出し、スケジュールを決定します。

P会社の例ですと、P会社の総務・経理・人事・システム・製造・販売、C・D会社の総務・人事・システム・販売などがプロジェクトメンバーです。

ステージ4 スケジュールの決定と実行

まず、新会社Eを設立し、次いでF社を設立、その後、P社の決算日の翌日にHD化するというスケジュールを具体的な日程に落とし込んでいきます。こうした変更は株主総会の決議事項ですから、通常総会で決議するのか、臨時総会を招集するのかということや、新たに判明した会計のリスクや税務のリスクを先読みして解決していきます。

このように組織再編の仕事は、単なる税務の仕事や会計の仕事ではなく、経営陣と直接対話しながら進める、会社の経営の根幹に関わる仕事です。プロジェクトは数年に及ぶことも珍しいことではありません。最近は日本国内だけでなく、海外の子会社などを含めた組織再編も増えています。このような国際案件に対して、太陽グラントソントン税理士法人は海外のネットワークも駆使して対応します。ビジネスは益々グローバルに広がっているのです。

組織再編は間違いなく税理士として最先端の仕事の1つで、極めてダイナミックな内容です。プロジェクトが完了しても、それで終わりではなく、継続した関係がずっと続いていくのです。「やりがい」は文句のつけようのないもので、プロフェッショナルであることが実感できる仕事です。


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